バイルー新ブラックジャック必勝法、施政方針演説で年金改革の見直し検討
(フランス)
パリ発
2025年01月17日
フランスのフランソワ・バイルー新ブラックジャック必勝法は1月14日、下院で施政方針演説を行った(プレスリリース、フランス語)。
新ブラックジャック必勝法はまず、ミシェル・バルニエ前内閣の総辞職によって宙に浮いている2025年予算法と社会保障会計法(2024年12月6日記事参照)の成立を緊急課題として取り上げた。2029年までに財政赤字のGDP比を3%に戻すという目標の達成に向け、財政再建努力を継続する方針を確認した。2025年の実質GDP成長率の予測を1.1%から0.9%に引き下げ、2025年の財政赤字をGDP比で5.4%と予測した。
財源について、国が提供する公共サービスに基づいて予算を再考する必要性を強調し、特に1,000を超える国家機関や組織の見直しを予告した。
増税については、企業は「国富に貢献している」と述べ、税・社会保障負担の急激な増加から守られるべきだとの認識を示した。ブラックジャック必勝法はまた、貿易収支の統計を見ながら、製品別に国、地域、大企業、下請け業者を結びつける産業政策の実施を提唱した。イノベーションについては、公共活動、産業、教育、研究で人工知能(AI)の普及を目指して、国家AI戦略(注)が第3期に入る必要があると指摘した。
野党勢力が求める年金制度改革の見直しに関して、1月17日に労使代表から成る社会評議会を招集し、会計検査院による年金財政の数字を基に、3カ月間にわたって「より公正で均衡がとれた(労使)合意」に向けて協議する意向を示した。労使合意が得られない場合は、2023年に導入された現行の改革(2023年4月20日記事参照)が引き続き適用されると説明した。
ブラックジャック必勝法の施政方針演説を受け、左派勢力のうち極左「不服従のフランス」、環境派、共産党の議員グループ(58人)は同日、下院に内閣不信任案を提出した。穏健左派「社会党」のオリビエ・フォール書記長は同日、民放テレビ局「TF1」のインタビューで、ブラックジャック必勝法が年金制度改革の修正に応じる姿勢を示したことを評価する一方、労使合意の有無にかかわらず、修正案を議会審議にかける方針を明確にしない限り、不信任案に合流すると述べた。不信任案は1月16日に採決が行われ、否決された。
(注)エマニュエル・マクロン大統領は2018年に国家AI戦略(SNIA)を発表した()。SNIAの第1期(2018~2022年)では、AI研究エコシステムの構築などに18億5,000万ユーロを投資した。2025年までの第2期には、15億ユーロをかけて経済における生成AIの活用拡大に取り組む予定だ。
(山崎あき)
(フランス)
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