フジクラ、1億5,500万ドルを投じて米サウスカロライナ州での光ファイバーケーブル事業拡大へ

(米国、日本)

アトランタ発

2024年12月09日

米国サウスカロライナ州商務省は12月3日、フジクラの子会社で光ファイバーケーブル大手のアメリカ・フジクラ・リミテッド(AFL)が同州スパータンバーグ郡での事業を拡大すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。1億5,500万ドルを投じ、今後2~5年の間に150人以上の新規雇用創出を見込む。

AFLは、1984年に米国のアルミニウム大手アルコアとの合弁会社アルコア・フジクラとして設立され、2005年にフジクラの完全子会社として現在の社名となり、ハイパーブラックジャック通信および自動車用電装品を製造している。スパータンバーグ郡ダンカンに本社と5つの製造施設などの拠点を有する。今回の事業拡大は、ダンカンでの光ファイバーケーブル事業全てにおよび、米国内でのケーブル製造、ブロードバンド展開、送電網の現代化に必要な重要機器の生産能力が向上する。

同社は2024年3月にも、同州での光ファイバーケーブル事業拡大のため5,000万ドル超の投資を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。これは、2021年11月に成立したインフラ投資雇用法(IIJA)に含まれるかたちで成立した「ビルド・アメリカ、バイ・アメリカ法(BABA)」()に準拠した製品ポートフォリオを目指すもので、米国製素材の使用と米国内サプライチェーン支援の取り組みに資するものだという(注1)。また、2024年10月にはBABAの要件に準拠した製品の自己認証を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これにより同社は、米国商務省国家電気通信ハイパーブラックジャック庁(NTIA)が実施する「ブロードバンド衡平性・アクセス・配備(Broadband Equity Access and Deployment:BEAD)プログラム」(注2)によるブロードバンド・インフラ・プロジェクトの主要サプライヤーと位置付けられることになる。

ジャクソン・ラングAFL社長兼最高経営責任者(CEO)は「AFLは40年にわたり、スパータンバーグ郡の地域社会にとって不可欠な存在だった。今回の拡張で生産能力が向上し、世界中の顧客により良いサービスを提供できるようになると同時に、われわれが働き、生活する地域を強化できる」と述べた。また、ヘンリー・マクマスター知事(共和党)は「AFLがサウスカロライナ州に投資を続けていることを誇りに思い、この事業拡大が数年後に与える影響を楽しみにしている」と語った。

(注1)BABA法の下では、連邦政府が資金提供するインフラ・プロジェクトに米国製の鉄鋼、建材、工業製品を使用することを義務付けている。建材として、非鉄金属、プラスチックおよびポリマー製品、ガラス、光ファイバーケーブル、光ファイバー、木材、壁材(乾式工法)、エンジニアードウッドの8種類が指定されている。

(注2)ブロードバンドサービス未提供地域でインフラを構築、普及促進することで、全国民がオンラインに接続できるようにすることを目的とした連邦補助金プログラム。IIJAではブロードバンド網整備に650億ドルが割り当てられたが、このうち、424億5,000万ドルがBEADプログラムに充てられている。BABA法は、BEADプログラムの下でのブロードバンド展開事業に米国内での調達または製造された製品の使用を義務付けている。

(横山華子)

(米国、日本)

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