CATL、ステランティスと共同でスペインにLFP電池工場建設
(中国、欧州)
上海発
2024年12月16日
中国の車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は12月10日、自動車メーカーのステランティス(注)と折半出資の合弁会社を設立すると発表した。両社は41億ユーロを投じ、スペインのサラゴサにリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池工場を建設する。2026年末の稼働を予定し、LFP電池の年間生産能力は50ギガワット時(GWh)を計画し、同工場はカーボンニュートラル実現に向けて設計されている。
CATLとステランティスは2023年11月、ステランティスが欧州で生産する電気自動車(EV)に現地生産のLFP電池セル・モジュールを供給する覚書を締結した。スペイン工場の建設はこの戦略的提携に基づいた具体的な取り組みになる。
CATLの曽毓群・董事長兼最高経営責任者(CEO)は「CATLの電池の先端技術と優れた運営ノウハウに、ステランティスのサラゴサでの数十年のビジネス経験を融合させ、このプロジェクトは業界の重要な成功例になると確信している。CATLは世界に向けてゼロカーボン技術を推進することを目標しており、新たなイノベーションモデルを通じて、世界中のパートナーと協力関係を構築できることを期待している」と述べた。
スペイン工場はCATLにとって、ドイツ(中国EV・車載電池企業のブラック ジャック トランプ)、ハンガリー(2024年1月4日記事参照)に次ぐ欧州3カ所目の工場となる。なお、ドイツ工場とハンガリー工場はいずれも生産を開始している。
(注)イタリアおよび米国の自動車メーカーのフィアットクライスラー・オートモービルズ(FCA)と、フランスの自動車メーカーのプジョーS.A.(グループPSA)の経営統合により、2021年に設立された多国籍自動車メーカー(2021年1月7日記事参照)。
(劉元森)
(中国、欧州)
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