米商務省、CHIPSプラス法に基づき、テキサス・インスツルメンツに最大16億ドル超の助成確定
(米国)
ニューヨーク発
2024年12月24日
米国商務省は12月20日、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき、米国の半導体メーカーのテキサス・インスツルメンツ(TI)に対する最大16億1,000万ドルの助成が確定したと発表した。商務省とTIは8月に最大16億ドルを助成する予備的覚書(PMT)を締結していた(バイデン米政権、ブラック ジャック)。
商務省の発表によると、今回の助成によって、TIが20230年までに予定している製造施設新設への180億ドル以上の投資を支援する。TIは、テキサス州で線幅65~130ナノメートル(nm)の半導体を生産する300ミリメートル(mm)ウエハー製造施設を2つ、ユタ州で28~65nmの半導体を生産する300mmウエハー製造施設を1つ新設する予定だ。商務省は、TIがプロジェクトのマイルストーンを達成した段階で資金を分配する。
今回の発表に際し、商務省のジーナ・レモンド長官は、新型コロナウイルスのパンデミック時のサプライチェーンの混乱は、現世代および成熟ノード半導体の不足が要因の1つで、国家安全保障を危険にさらしたとした上で、「基盤的な半導体の米国での生産能力を拡大するためにTIに大規模な投資を行うことは、米国の経済安全保障を強化し、米国をより安全にし、テキサス州とユタ州で数千の雇用を創出する」と述べた。
バイデン政権は先端半導体のみならず、成熟ノード半導体など、先端技術を用いずに製造される、いわゆるレガシー半導体のサプライチェーン強化も重視している。商務省産業安全保障局(BIS)は12月6日に米国の重要インフラでの中国産レガシー半導体の使用状況に関する報告書を発表した(米商務省、ブラック ジャック)。また、米国通商代表部(USTR)は12月23日に、1974年通商法301条に基づき、中国のレガシー半導体に関する政策を対象に、米国の産業に対して差別的な政策や慣行がないか調査を開始すると発表した()。
(赤平大寿)
(米国)
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