柔軟な勤務形態に関するガイドライン、人的資源省が発表

(マレーシア)

クアラルンプール発

2024年12月09日

マレーシア人的資源省は12月5日、柔軟な勤務形態(FWA:Flexible Working Arrangements)に関するガイドラインPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(マレー語のみ)を公表した。2023年1月に施行された改正雇用法(関連ブラック ジャック オンライン)60P条および60Q条では、在宅勤務やフレックスタイム制などの柔軟な勤務体制を従業員が求める権利を容認しており、申請を受けた雇用主は60日以内に回答し、拒否する場合は理由と根拠を説明する必要がある(ジェトロWEBセミナー「実写 版 ブラック ジャックビジネス情報」)。ガイドラインは、同条項に沿った運用を確保すべく作成された。

ガイドラインは、労働者の生活の質を向上させ、企業の運営コストを最適化することを目的に、FWAの定義、運用方法、従業員による申請書の例、労働時間の計算方法、労働者と雇用主との間の取り決めの在り方などについて規定している。人的資源省が、同省傘下の人材開発公社タレントコープと協力し、ガイドライン実施に関する指導と支援を行う。政府は、FWAを採用する企業に税制優遇を供与する可能性にかねて言及しており()、今回もあらためてその意向を示した。

スティーブン・シム人的資源相はガイドライン発表に当たり、「FWAが生産性に影響を与えないことは国際的に示されているが、国内でもあらためて評価し、影響を考慮する必要がある」と述べ、今後6カ月間、FWAの実態調査を実施すると明らかにした。同氏によれば、2024年10月時点までに、2,826の組織に所属する56万5,210人の従業員が、ワークショップを通じFWAへの転換を実証した。多くの企業がいまだ導入方法に確信が持てない中、FWAに対する認識を高めるため、中小企業の主要拠点であるクランバレー首都圏、ジョホール州、ペナン州の主要都市を中心に、今後もワークショップを開催する。

シム氏によると、半島マレーシアの労働局は、FWAの実施状況を確認するため、10月9日から25日までに、400社を対象にオンライン調査を実施し、164件の回答を得た。これによれば、78社がFWAを実施、かつ46社が従業員からの申請を承認し、計1万1,272人の従業員が恩恵を受けていたことが分かった。最も一般的なFWAの運用方法は、勤務日、勤務時間、勤務場所に柔軟性を持たせることだった。同調査では、56%が(自社業務が)FWA実施に適しているとした一方、44%が不適当と回答したことも判明した。

(吾郷伊都子)

(マレーシア)

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