ブランデンブルク州とチューリンゲン州で政権発足、BSWが州政権に初参画へ
(ドイツ)
ベルリン発
2024年12月18日
ドイツにおいて2024年9月に州議会選挙が行われたブランデンブルク州(関連ブラック ジャック 勝ち)とチューリンゲン州(関連ブラック ジャック トランプ)で、それぞれ新たな政権が発足した。
ブランデンブルク州では12月11日に、2013年から州首相を務めている社会民主党(SPD)のディートマー・ボイトケ氏が87票中50票の過半数を得て再選された。SPDは、ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟(BSW)と連立政権を形成。BSWは左翼党から分離した2024年1月の党創設以降、初めて州政権に参画することとなった。
同州の連立政権を担う2党は、首相指名選挙前日の12月10日に連立合意に署名し、連立協定を発表。病院数の維持、子供のいる家庭の負担軽減措置としての保育園の無償化、警察官の増員、移民・庇護(ひご)希望者・難民の労働市場への統合の強化・育成・就労の促進、不法移民・非正規移民の取り締まりなどを主な政策目標として掲げている。また、協定の前文には、ウクライナ戦争において可能な限り外交的解決を図る旨が明記されている。外交は本来、連邦政府の対応事項だが、親ロシア的立場をとるBSWの主張が連立協定に反映されるかたちとなった。
チューリンゲン州政府は3党の少数連立
他方、チューリンゲン州では、12月12日に州首相としてキリスト教民主同盟(CDU)のマリオ・フォークト氏が選出された。88議席の同州議会においてはCDU(23議席)、SPD(6議席)、BSW(15議席)が連立政権を形成。3党は、首相指名選挙に先立ち11月22日に3党連立について合意し、連立協定を発表していた。3党合わせても過半数の45票に満たない状況だったが、フォークト氏はこれを上回る51票を獲得。現地経済紙「ハンデルスブラット」(12月12日付)によると、左翼党の協力も得て、過半数を獲得した。
同州においては、極右・ドイツのための選択肢(AfD)が第1党となった。各党はAfDとの協力関係を排除しており、AfDが政権を取る可能性は低いとみられていた。第2党のCDUは、党全体でAfDと左翼党との協力を行わない方針を打ち出しているため、同州のCDUにとっては、BSWとSPDとの政権形成が唯一の方策だった。そのような状況で今後、どのような政権運営がなされるのか、注目が集まっている。
(打越花子)
(ドイツ)
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