長江流域最大規模のRORO船ターミナル、蘇州市太倉港で稼働
(中国)
上海発
2024年12月23日
中国の上海汽車集団は12月12日、長江流域で最大規模のRORO船ターミナル(注1)となる海通太倉港自動車ターミナルが、江蘇省蘇州市太倉港で正式に稼働したと発表した。上海汽車集団と上海国際港務(SIPG)集団、江蘇省港口集団が共同建設した同ターミナルは今後、積載する自動車の年間取扱量が130万台となる予定で、国内の自動車メーカーを対象に外航貨物輸送時の物流サービスを提供するという(「解放日報」12月13日記事)。
海通太倉自動車ターミナルの面積は96万平方メートル、海岸線(注2)は708メートルで、外航貨物輸送用のRORO船(積載量は7万トン)2隻と内航輸送用のRORO船(同3,000トン)1隻が同時に停泊することができる。また、計3万2,000台の車両駐車スペースも保持している。同ターミナルは自動車輸送専用であることから、広範囲にわたる駐車場および5つの自動車サービスセンターがあり、商用車用の倉庫のほか、車両の整備、充電などの自動車物流サービスを総合的に提供する。
同ターミナルは、上海市から車で1時間半程度の距離にあり、高速道路と太倉港のコンテナターミナルに隣接している。本ターミナルの稼働により、上海市の主要な港である上海港外高橋港および上海港臨港との連携強化が期待される。
中国の自動車輸出額は、2023年に日本を抜いて世界1位となった。また、2024年1~11月の自動車輸出台数は534万5,000台(前年同期比21.2%増)、うち新エネルギー車(NEV)は114万1,000台(4.5%増)だった(2024年12月19日記事参照)。太倉税関によると、太倉市の同年1~11月の自動車輸出台数は前年同期比19.8%増の43万7,300台、うちNEVは14万1,500台だった。長江流域の自動車輸出の増加に伴い、今後の同地域における湾港のインフラ整備の発展動向が注目される。
(注1)RORO船が停泊するための専用ターミナル。RORO船とは、ROLL-ON ROLL-OFFの略称で、貨物を積んだトラックやトレーラーが、そのまま自走して乗り込み運搬できる貨物用船舶を指す。同船舶は、海上運送法および内航海運業法に基づき届け出をした貨物、または旅客定員が12人以下のものと規定されており、貨物の積み下ろしのためのゲート(ランプウェイ)を有する。
(注2)陸地と海水面との境界にあたるとみなされる線。
(趙姝萍)
(中国)
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