英政府、住宅暖房の脱炭素化に向けた計画の詳細公表
(英国)
ロンドン発
2024年12月04日
英国のエネルギー安全保障・ネットゼロ省は11月21日、住宅の改修、断熱などの省エネ対策を実施する「ウォーム・ホームズ」計画の詳細を公表した。光熱費の削減とよりクリーンな暖房の導入を支援し、これにより30万世帯が恩恵を享受するとしている。計画実施に当たり、2025年度(2025年4月~2026年3月)に32億ポンド(約6,048億円、1ポンド=約189円)を投資する。主な取り組みは次のとおり。
- ボイラー・アップグレード・スキーム(関連ブラック クイーン ブラック)への資金の追加投入。2024年度は3,000万ポンドを追加し、総額1億8,000万ポンドに。2025年度は総額2億9,500万ポンドを投入。
- 賃貸物件のエネルギー効率最低基準の引き上げに関する意見公募の実施。
- 新しいボイラーとヒートポンプのエネルギー効率基準の引き上げに関する意見公募の実施。
- 空気熱源ヒートポンプの設置に係る隣家との距離規制の緩和。
- 国内ヒートポンプ産業に政策の確実性と投資への自信を与えるための新たなクリーン・ヒート・マーケット・メカニズムを通じた、ヒートポンプサプライチェーンへの投資の奨励と競争拡大による低価格化。
- 国内ヒートポンプ産業の活性化に向けた投資。
- 労働組合と連携したサプライチェーン全体での良質な雇用の提供。
より暖かい住宅の提供に向けた手段を検討し、よりクリーンな暖房の展開を加速するための取り組みを実施することで、エネルギー料金を削減し、燃料不足に対処し、全土で雇用とスキルの新しい機会を創出するとしている。
エネルギー価格上限は微増
ガス・電力市場局(Ofgem、エネルギー部門の規制機関)は11月22日、2025年1月から3カ月間のエネルギー価格上限(energy price cap)を発表した(注)。標準的な家庭のガス・電気使用量の場合、年間の価格上限は1,738ポンドと、現行(2024年10~12月)の1,717ポンドから21ポンドの引き上げとなった()。
(注)エネルギー価格上限は、Ofgemがエネルギー供給事業者の顧客への上限単価額を設定したもので、標準的な家庭のガス・電気使用量を基に算出される。実際の請求額はエネルギー使用量に応じて算出される。
(野崎麻由美)
(英国)
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