ヒートポンプ導入促進に向け官民で取り組み進む、政府は技術開発の支援をさらに強化
(英国)
ロンドン発
2024年05月21日
英国政府は4月30日、ヒートポンプの展開のための新たなツールと技術の創発支援を発表した。2028年までの年間60万台のヒートポンプ設置目標を支援するために設けられた「ヒートポンプ・レディ・プログラム」を通じて、導入に伴う総コストの低減に資するプロジェクトに対し、約500万ポンド(約9億9,000万ポンド、1ポンド=約198円)の政府支援が投じられる(支援対象の10のプロジェクトは政府発表を参照)。
英国ではヒートポンプ導入拡大に向け、官民各機関の取り組みが進む。イノベーションを利用した社会変革を推進する慈善団体のネスタは、ヒートポンプの実際を知る機会を提供するウェブサイトを開設した。導入済み家屋をオープンハウスにすることで、導入検討者に実際の環境でどのように機能するかを見学、また質問する機会を提供するもの。具体的な流れは、協力意思のあるオーナーがウェブサイトに登録。導入検討者は、居住地域のオーナーを検索し、予約のうえ訪問する。2024年4月現在、英国全体で約150のオーナーが登録している。オーナーには技術的なブラック クイーン ブラック ジャックではなく、利用者目線の見識の提供が求められる。このサービスは2022年に試行を開始。2023年2月から2024年7月までの今フェーズでは、全国を対象に、大規模でより効率的なサービスの運用を目指している。
政府は2022年5月、ボイラー・アップグレード・スキームによりヒートポンプ導入への助成を開始し、ガスボイラーからの買い替えを奨励している(関連ブラック ジャック 賭け)。2023年10月には、空気熱源のヒートポンプ導入を対象に5,000ポンド、地中熱源のヒートポンプを対象に6,000ポンドだった助成額をそれぞれ7,500ポンドに増額。また、助成期間を3年間延長し、2028年までとした。
スキームの見直しにより、2023年11月から2024年1月までの平均月間申請数は39%増加した。英国ヒートポンプ協会によると、2023年の販売台数は6万244台。2022年は5万7,930台、2021年は4万2,780台で、増加傾向が継続している。しかし、年間60万台超のフランスや30万台超のイタリアなど、欧州主要国と比較した場合には依然として少ない()。理由として、ボイラーと比較し購入と設置のコストが高いこと、運用するための電気料金が一般的にガス料金より高いことがあげられる。なお、助成を受けるために義務付けられていた空洞壁と屋根裏への断熱材の設置は2024年3月に条件から削除された。これにより、一般的な住宅で約2,500ポンドの費用が削減されるとしている。
(野崎麻由美)
(英国)
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