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(ウクライナ、アゼルバイジャン、日本、米国)

調査部欧州課

2024年11月26日

ウクライナは、アゼルバイジャンのバクーで開催された国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29、2024年11月12日記事参照)に3年連続でパビリオンを設置した。COP29での目標について、ウクライナのゼレンスキー大統領が定める「平和の公式」に含まれる「環境破壊行為対策」の促進とし、ロシアの軍事侵攻による環境破壊を罰する仕組みを国際社会と協力して取り組んでいることをアピールした。

ウクライナのスビトラーナ・グリンチュク環境保護・天然資源相はBBCとのインタビューで、COP29での主なタスクは、ロシアの侵攻による環境への影響を示すことだと述べた。同大臣はロシアによる侵攻開始から1,000日目の11月19日、ウクライナパビリオンで記者会見を行い、戦争に起因する環境被害は約710億ドル、二酸化炭素(CO2)排出量は1億8,000万トンに上り、戦争の影響は国外にも及んでいると訴えた。また、国際パートナーと取り組み、侵攻と環境被害を厳しく罰するメカニズムの策定に触れ、環境被害を記録・評価する普遍的な方法の開発や、環境に配慮した持続可能な復興の国際原則の形成に協力を求めた。

ウクライナ内閣は6月、2030年までの国家エネルギー・気候計画(NECP、関連ブラック ジャック カード)を採択し、a.1990年比で温室効果ガス(GHG)を65%削減、b.最終エネルギー消費に占める再生エネルギーの使用を27%とすることなどを定めた。10月には最高会議(国会)が2050年までの気候中立達成を目標に定める気候法を採択した。COP29では、NECPの目標達成のため、780億ドル相当のプロジェクトを含む投資ポートフォリオが紹介された。最初のパイロットプロジェクトは、2025年7月にローマで行われるウクライナ復興会議で発表の予定だ。

環境分野の協力について、国際パートナーとの対話も行われた。COP29開催国のアゼルバイジャンとは、環境保護の協力について覚書を締結したほか、米国とは小型モジュール炉(SMR)技術の活用に関連する3つのプロジェクトでのパートナーシップを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。浅尾慶一郎環境相とは、解体後の廃棄物管理やグリーン技術の協力、2月の日・ウクライナ経済復興推進会議で覚書を締結した2国間クレジット制度(JCM、注)の早期実施について議論した。

(注)2国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)は、途上国と協力してGHG削減に取り組み、その成果を両国で分け合う制度。パートナー国に対し、優れた脱炭素技術、製品、システム、サービス、インフラなどの普及やGHG対策を実施する。

(柴田紗英)

(ウクライナ、アゼルバイジャン、日本、米国)

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