カナダのオンタリオ州首相、米国とカナダの2国間協定を提案

(カナダ、米国、メキシコ)

トロント発

2024年11月19日

カナダ・オンタリオ州のダグ・フォード首相は11月12日、米国のドナルド・トランプ次期大統領が2026年に米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を再交渉する意向を示したことを受け(2024年10月15日記事参照)、米国とカナダによる2国間協定の可能性に言及した。複数の現地メディアが報道した。

フォード首相はメキシコに対し、「中国製品を排除する努力において、北の隣国(米国・カナダ)に同調できないならば協定に参加する資格はなく、世界最大の経済圏へのアクセスを享受するべきではない」と同国が中国製品流入の裏口となっていると非難し、中国から輸入する製品に対する関税の見直しを求めた。さらに、それが受諾できない場合には、カナダと米国のみで新たな貿易協定を結ぶことで、メキシコ経由で輸入される中国製品に対する規制を強化し、北米の製造業を保護するための措置を講じるべきだと主張した。

カナダ政府は、米国や欧州と協力して中国による不公正な貿易慣行に対抗するための措置として、中国製電気自動車(EV)に対し100%の関税、鉄鋼およびアルミニウム製品に対しては25%の関税を2024年10月から施行している(関連ブラック ジャック 勝ち)。

フォード首相の発言は、カナダ自動車部品製造業協会(APMA)をはじめとしたカナダや米国の製造業関係者から支持を受ける一方で、メキシコ政府や一部の経済専門家から貿易の自由化を妨げ、北米全体の経済成長に悪影響を及ぼす可能性があると批判を受けている。

なお、トランプ次期大統領の主張する、全世界からの輸入に一律10~20%の関税を課すベースライン関税が施行される場合、カナダは最も大きな影響を受ける国の1つとなる(トランプ氏にトルドー首相が祝意、21)。

(井口まゆ子)

(カナダ、米国、メキシコ)

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