湖北省、配送用低空飛行ドローンの運航実施

(中国)

武漢発

2024年11月18日

中国の湖北省で11月11日、武漢市内の商業施設の武商モールと武商夢時代を結ぶ配送用低空飛行ドローンの運航が実施された。このドローンは、武商モールを運営する武商集団と物流大手の順豊エクスプレスの協力によって実現したもので、中国国内で川(長江)を横断して荷物を輸送する初の例となる。ドローンの走行距離は約20キロ、目的地までの所要時間は約15分で、将来的には定期運航を見据えている。

低空飛行ドローンによる即時配送では、即時配達システムに基づく高い効率性を実現しており、「30分以内に全てのものが届く」という特徴をもつ。武商集団の潘洪祥董事長は「現在、武商集団は既に武漢市内で配送用小型倉庫の配置を開始している。また、今後、ドローン技術の向上やスマート物流ネットワークの発達に伴い、ドローン配送は通常の陸上輸送や倉庫管理、ビッグデータ分析などと密接なつながりを持つことになる。当社も、新技術を用いることで、スマートかつサステナブルな物流システムの構築を実現し、サプライヤーや顧客に対してサービスを提供していきたい」と語った。

順豊エクスプレスの責任者は「商業施設間の空中輸送を実現しただけではなく、技術面でも初となる川(長江)を横断する輸送を実現した」と語るとともに、「現状、積載量10キログラムのドローン4基の保有を予定しており、今後は使用シーンの拡大に応じて規模も拡大していく」と述べた。

中国内の低空経済の成長に伴い、湖北省でも路線拡充が進められており、10月15日には武漢市内の漢南空港と十堰市、同空港と荊州市を結ぶ近距離航空便の運航が開始した(2024年10月30日記事参照)。今後も省内の低空経済規模の拡大が期待される。

(西島和希)

(中国)

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