中銀、政策金利を4.35%に据え置き、8会合連続

(オーストラリア)

シドニー発

2024年11月20日

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は11月5日、政策金利を4.35%に据え置くと発表した。前回10月の金融政策決定会合に続いて、8会合連続での据え置きとなった()。同国の政策金利は、2012年以降で最も高い金利水準が維持されている。

RBAのミシェル・ブロック総裁は据え置き決定の背景について、オーストラリア統計局(ABS)が10月30日に発表した消費者物価指数(CPI)統計で、基調的なインフレを反映するトリム平均値は前年同期比3.5%と、RBAの目標圏内(2~3%)の中間値2.5%には程遠く、基調的なインフレの高止まりが続いていることを指摘した。一方で同総裁は、総合インフレ率(CPI)は2022年第4四半期のピークである前年同期比7.8%から大幅に低下し、足元では2024年第3四半期に2.8%と第2四半期(3.8%)から低下したことに言及した。しかし、低下要因は、連邦政府の生活費高騰対策()で燃料費と電気料金が低下したことによるものであり、一時的な影響と分析している。

今後の政策金利について、インフレの上振れリスクにも引き続き警戒する必要があり、RBAは基調インフレの低下が進み、インフレ率が持続して目標圏内に戻ることを確認するまで、金融政策引き締めを継続するとした。

オーストラリア大手のウェストパック銀行はRBAの発表を受け、基調インフレがRBAの目標圏内を上回っているため、RBAはインフレの上振れリスクにより注意を払っているとした。また、「RBAは2025年後半まで利下げしないとみていると考えられるが、RBAの11月の見通し(トリム平均値が2025年後半にRBAの目標圏内に収まる)に一致するか、または見通しより早く目標圏内に収まれば、それより前に利下げを行う可能性もある」という見解を示した。

(青島春枝)

(オーストラリア)

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