中銀、政策金利を7会合連続で4.35%に据え置き
(オーストラリア)
シドニー発
2024年10月04日
オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は9月24日、政策金利を4.35%に据え置くと発表した。2023年12月以降、7会合連続の据え置きとなった。同国の政策金利は、2012年以降で最も高い金利水準が維持されている。
RBAのミシェル・ブロック総裁は据え置き決定の背景について、消費者物価指数(CPI)の前年同期比上昇率が、2022年第4四半期のピーク(前年同期比7.8%)から大幅に低下しているものの(2024年8月15日記事参照)、RBAの目標圏内(2~3%)の中央値を依然上回っていることをあげた。9月25日に発表された8月のCPI月次統計では、前年同月比2.7%上昇と前月比で0.8ポイント減少し、オーストラリア統計局(ABS)は政府による電気料金の一律払い戻し策(関連ブラック ジャック ディーラー)が影響したと発表した。しかし、RBAはCPI上昇率の低下は一時的で、CPI上昇率がRBAの目標圏内に戻るのは2026年までかかるとみている。
オーストラリア大手のウェストパック銀行はRBAの発表を受け、「RBAは予想どおり金利を据え置いた。RBA理事会はインフレ上昇のリスクを引き続き警戒しており、短期的ではなく持続的に政策金利を目標圏内に戻したいと考えている」とコメントした。今後の政策金利については、RBAの発表や会見から判断すると、2024年は政策金利を据え置き、2025年2月以降に利下げを開始するとの見方に変更はない、という見解を示した。
ブロック総裁はまた、国内経済の見通しについて非常に不透明とした。第2四半期のGDP成長率(2024年9月11日記事参照)をみると、国内の経済成長が弱いことを表していると指摘した。実質可処分所得の減少や金融政策の引き締めの影響で、特に裁量的支出に重くのしかかっているとした。一方、学生や観光客などの一時滞在者による消費を含む個人消費は堅調に推移している、と付け加えた。また、賃金上昇圧力は緩和され、労働生産性は過去1年で上昇したものの依然として2016年の水準にとどまっていることや、失業率は2023年半ばの最底値3.5%から2024年8月には4.2%に上昇するも、労働市場の逼迫が続いていることも指摘した。
(青島春枝)
(オーストラリア)
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