欧州委、イノベーション基金の補助金交付事業を発表、産業界の脱炭素化支援を強化
(EU)
ブリュッセル発
2024年11月01日
欧州委員会は10月23日、2023年度募集分のイノベーション基金の補助金交付事業を発表した(プレスリリース)。イノベーション基金は、EU域内(注)の温室効果ガス(GHG)排出ゼロに貢献する技術(ネットゼロ技術)を推進する事業への財政支援策だ。今回は85事業に対し合計48億ユーロの支援が実施される。
発表によると、今回最も多くの補助金が交付されるのは、エネルギー集約型産業の脱炭素化支援。セメント、水素、化学品、鉄鋼などの40事業に対し、合計26億ユーロが交付される。この中には、EUが推進する二酸化炭素(CO2)の回収・有効利用・貯留(CCUS)技術を活用した産業炭素管理事業(欧州委、オンライン カジノ ブラック)も含まれる。EUのCO2注入能力に関する2030年目標()のうち、今回の支援により13%、既存の支援分と合わせると37%が達成される見込みだ。
また、ネットゼロ技術の域内製造支援として、エネルギー貯蔵技術、エネルギー集約型産業向け技術、再生可能エネルギー(再エネ)技術に関する25事業に合計16億ユーロが交付される。これは、グリーン・ディール産業計画(規制緩和策(1)トランプ ゲーム ブラック ジャック)に沿ったものだ。同計画ではグリーン水素の生産強化に向け、2030年までに25ギガワット(GW)相当の電解槽の域内製造を目指しており、今回は9.3GW相当の電解槽を製造予定の9事業が選定された。これにより、既存の支援分と合わせ、合計12.2GW相当の電解槽製造事業への支援が決定したことになる。このほか、バッテリー関連の7事業、太陽光パネルや風力タービンなどの再エネ部品を製造する9事業も選定された。
さらに今回は、評価基準を上回った合計149事業(選定から漏れた64事業を含む)に対し、「STEPシール(主権認定)」が初めて付与された。これは、グリーン・ディール産業計画の一環として設置された「欧州戦略技術プラットフォーム(STEP)」(EUグリーン・ディール産業計画の財政支援策「STEP」が政治合意、ブラック)に基づく認定制度だ。認定事業は、複数のEUプログラムから財政支援を受けことが可能になるなど、優遇措置が認められる。
なお、選定事業の詳細は、イノベーション基金ウェブサイトを参照。
(注)EU加盟国のほか、ノルウェーとアイスランドの事業が対象。
(吉沼啓介)
(EU)
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