香港金融管理局、基準金利を5.0%に引き下げ
(香港)
香港発
2024年11月14日
香港金融管理局(HKMA)は11月8日、事前に定められた方法に基づき、基準金利を5.0%に引き下げ、即時適用すると発表した。当該基準金利は、ディスカウント・ウインドー(割引窓口、注)を通じた、買い戻し取引の割引率が計算される基礎となる金利だ。当該基準金利は、米国の政策金利のフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標の下限を50ベーシスポイント(0.50ポイント)上回る水準か、香港銀行間取引金利(HIBOR)の翌日物と1カ月物の5日間移動平均値のいずれか高い方に設定されている。
米国連邦準備制度理事会(FRB)が11月7日(米国時間)に、FF金利の誘導目標を0.25ポイント引き下げたことを受け、当該目標の下限を0.50ポイント上回る値は5.0%となった。一方で、HIBORの翌日物と1カ月物の5日間移動平均は3.87%だ。従って、基準金利は、5.0%に設定された。FRBによる政策金利引き下げは9月に続き、2会合連続となる(2024年9月20日記事参照)。
HKMAは同日に、「米国FRBの金利決定に対する香港金融管理局の対応」と題した当局のプレスリリースにおいて、「米国の利下げサイクルはまだ初期段階にあり、金利はしばらく比較的高い水準にとどまるかもしれない。一般消費者は不動産購入や住宅ローンの借り入れの際には金利リスクを注意深く評価し、引き続き管理する必要がある」と、今後の見方とともに注意喚起を示した。加えて「米国の利下げ決定が香港の金融・財政安定に影響を与えることはない」との見解も示した。
(注)HKMAによる銀行に対する貸出制度。
(松浦広子)
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