バリ国際航空ショーを開催、SAFのロードマップを発表

(インドネシア)

ジャカルタ発

2024年10月08日

バリ国際航空ショー(BIAS)2024が9月18~21日、インドネシアのバリで開催された。

開幕式に出席したルフット・ビンサル・パンジャイタン海事・投資調整担当相は「BIAS2024は単なる展示会ではなく、インドネシアの航空宇宙の未来にとって、戦略的に重要な分岐点である」と強調し、今後は国際航空ショーを国内全土で定期的に開催すると表明した。

ブディ・カリヤ・スマディ運輸相は「持続可能な航空燃料(SAF)ロードマップ」を発表した。同ロードマップにおいて、2027年から航空燃料の1%をSAFとする目標を設定し、2030年以降はSAFの混合率を段階的に引き上げて、2060年時点で50%を目指すとした(「コンパス」9月24日)。

会期中に開催された「SAFに関するグローバルおよび地域協力の可能性」と題したパネルディスカッションには、ルフット海事・投資調整担当相のほか、英国の元首相で地球変動研究所のトニー・ブレア会長やインドネシアの格安航空会社ライオン・エア・グループのダニエル・プトゥット・クンチョロ社長、航空機製造大手エアバス・アジア・パシフィックのアナンド・スタンレー社長、国営石油プルタミナのダイレクターのサルヤディ・サプトラ氏らが参加した。ルフット海事・投資調整担当相は、2050年までに二酸化炭素(CO2)の排出を実質ゼロにするとの国際民間航空機関(ICAO)の長期目標(関連ブラック ジャック ランキング)への支持をあらためて表明したうえで、「SAFロードマップを通じて、航空業界における持続可能な技術の採用を加速し、炭素の排出削減に資する投資誘致に取り組む」と強調した。

SAF普及の課題は原料の確保

米国の航空機製造大手ボーイングは6月11日、インドネシアのバンドンで「インドネシア航空産業フォーラム」を開催した。同社のアジア地域サプライチェーン担当ダイレクターのクレイグ・アブラー氏は「将来の航空産業の発展にとって、持続可能性向上が必要な要素の1つである」と述べ、機体の刷新、効率的な運航、再生可能エネルギーの活用、先進技術の採用を行っていくとした。また、同氏は「短中期的には特にSAFの活用が極めて重要だ」との認識を示した。

SAFは世界的に原料確保の課題に直面しているが、インドネシアでは、国営石油会社プルタミナがSAFを生産しているほか、日本グリーン電力開発が9月18日、インドネシア産のココナッツから100%バイオマス由来のSAFの製造に成功したと発表した。

(大滝泰史、八木沼洋文)

(インドネシア)

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