米GM、EVバッテリー素材技術のフォージ・ナノに1,000万ドル投資を発表

(米国)

シカゴ発

2024年10月24日

米国大手自動車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)は10月16日、同社の投資部門GMベンチャーズがバッテリー素材技術開発のフォージ・ナノ(本社:コロラド州)に1,000万ドルの投資をすると発表した。また、GMは電気自動車(EV)バッテリーへの原子層堆積法(Atomic Layer Deposition)の応用について、フォージ・ナノと共同で取り組む戦略的提携契約も締結した。

原子層堆積法は、バッテリー材料に薄膜コーティングを施し、原子レベルで化学反応と物質構造を制御する表面加工技術だ。フォージ・ナノはGMのEVバッテリー性能の向上とコスト削減のため、薄膜コーティングを開発する。

複数の自動車メーカーがEV生産計画を修正する中での発表となった今回のEV関連事業への投資について、GMは「バッテリーの性能を向上させ、EVのコストを削減する革新的な技術を開発するという継続的な取り組みを示すものだ」としている。GMは10月初めにも投資家向け説明会で、ミシガン州でのバッテリーセル開発センター建設計画を発表したばかりだ(2024年10月17日記事参照)。また、同社のメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は「ニューヨーク・タイムズ」紙のインタビューで、ガソリン車からEVへの移行は行き詰まっているという考えを強く否定し、米国でガソリン車の販売を2035年までに段階的に廃止するという同社の公約について、「現在も実行中の計画」と述べている(「ニューヨーク・タイムズ」紙オンライン版10月18日)。

なお、フォージ・ナノのバッテリー製造事業子会社フォージ・バッテリーは9月20日に、ノースカロライナ州でのリチウムイオンバッテリー製造工場の生産能力を拡大する資金として、米国エネルギー省による最大1億ドルの助成金対象になったことを発表している(2024年9月27日記事参照)。

(星野香織)

(米国)

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