米GM、デトロイト郊外のバッテリーセル開発センター建設計画を発表

(米国)

シカゴ発

2024年10月17日

米国大手自動車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)は10月8日、デトロイト郊外にあるグローバル・テクニカル・センターに、1億4,500万ドルを投じて電気自動車(EV)搭載用のバッテリーセルの試作工場を建設する計画を発表した(オートモーティブニュース電子版10月8日)。この発表は、GMの経営陣による投資家向け説明会の一環として行われた。開発の迅速化、コスト削減、大量生産前に行う製造上の課題解決に貢献するこのバッテリーセル開発センターの建設は2024年11月に、セルの生産は2027年に開始される見込みとなっている(オートモーティブニュース電子版10月8日)。

同社のバッテリーセル戦略を担当するカート・ケルティ副社長は説明の中で、「開発センターの新設により、新しいバッテリー技術の考案から発売までの期間が最大1年短縮される」と述べた。

同社の発表によると、現時点では北米での2024年のEV年間生産目標台数は約20万台(注1)としている。同社のマーク・ルース社長は10月8日の説明会の中で、EV市場について「ゆっくりではあるが確実に伸びてきている」との見方を示した。また、メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は「EVによる損失は2024年がピークであり、EV販売の変動利益(注2)が今四半期にはプラスになる見通しだ」と述べた。ガソリン車からEVへの移行が予想よりも遅れ、多くの自動車メーカーがEV生産計画を修正する中で、同社の経営陣によるプレゼンテーションは、バッテリーセルの内製化などによるコスト削減でEVが利益を生み出す可能性をあらためて示す内容となった。

(注1)同社は2024年当初、20万~30万台としていた。

(注2)この場合の変動利益とは、企業が車両販売から得る収益が、その生産にかかる直接費用を上回ることを指す。

(星野香織)

(米国)

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