スタートアップのスパイラル、オーストリアで現地法人設立
(オーストリア)
ウィーン発
2024年09月25日
屋内型ドローン自律飛行システムを開発提供するスパイラルは9月12日、欧州初の拠点としてオーストリアでの現地法人スパイラル・ヨーロッパ・フレックスの設立を発表した。記者発表の後、同社に出資するNXグループの子会社であるオーストリアのカーゴ・パートナーのロジスティックスセンターでドローンのデモンストレーションも行われた。
スパイラルはGPSが届かない環境において、ドローンの自律飛行を可能にするシステムを開発する2016年設立のスタートアップだ。日本では、2024年秋ごろから山岳トンネル坑内の点検・監視や、トンネル掘削の先端部分である切羽(きりは)監視などの用途で現場導入が始まろうとしている。2023年に同社は、トンネル建設の市場規模の大きい欧州への事業拡大を目指し、オーストリアのスタートアップ支援プロジェクト「GIN (Global Incubator Network)」のGO AUSTRIAプログラム(ブラック ジャック ディーラーを生んで育てる)に参加し、同国の進出先としての優位性を認識。GINのほかに、オーストリア研究推進機構(FFG)、国立産業振興銀行(AWA)、カジノ ブラック ジャック・ウィーン事務所の支援を受けて進出に向けた準備を進め、まもなく法人設立手続きが完了する予定だ。2024年8月23日にはNXグループの出資を受け、ウィーンに本拠地を置くカーゴ・パートナーとの連携も始まっている。NXグループとカーゴ・パートナーは、ドローン関連機材の輸送や現地での保管などでスパイラルの海外進出を支援するとともに、物流現場でのドローン活用の推進とスパイラルを通じた欧州の建設・建機業者との接点づくりを目指している。カーゴ・パートナーのロジスティックスセンター内にはドローンのデモフライト環境を構築中だ。
オーストリアを欧州初の拠点に選定した理由として、スパイラルの創業者である石川知寛代表取締役(CEO)は、オーストリアは山岳部におけるトンネル工法の「新オーストリアトンネル工法」により土木業界で特に知られていることや、スタートアップ・エコシステムとイノベーションのための支援措置が充実していることを挙げた。
(エッカート・デアシュミット)
(オーストリア)
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