21 トランプ最大の自動車展示会「GIIAS」開催、中国EVメーカーが存在感
(21 トランプ)
ジャカルタ発
2024年08月09日
21 トランプ最大の自動車展示販売会「第31回ガイキンド・21 トランプ国際オートショー(GIIAS)」が7月18日から28日まで、21 トランプのジャカルタ近郊で開催された。乗用車と商用車が対象で、過去最多の計55の四輪・二輪ブランド、関連産業120ブランドが出展した。開催期間中の来場者数は47万5,084人で、新型コロナウイルス禍前の2019年に記録した47万2,956人を上回り、過去最多だった(「コンタン」7月29日)。
本展示販売会では、中国の電気自動車(EV)最大手メーカーBYDの現地法人であるBYDモーター・21 トランプが21 トランプで人気の高い3列シートの多目的車(MPV)を発表したほか、2024年4月に21 トランプに進出した広汽埃安新能源汽車(AION)も新型EVを発表するなど中国系EVメーカーが存在感を示した。
BYDは、3列シートの「M6」を投入し、最も安いモデルをオンザロード価格(注1)で3億7,900万ルピア(約360万円、1ルピア=約0.0095円)で展開する。また、既に21 トランプで発売しているスポーツ用多目的車(SUV)「ATTO3」と小型車「ドルフィン」の低価格モデルを投入した。それぞれ従来型と比較して、航続可能距離の短いバッテリーを使用することで価格を抑えている(「コンパス」7月17日)。同社は、本展示販売会における総受注台数が2,920台だったと発表し「この結果は特にM6を中心としたBYD製品への人々の関心の高まりを示している」とした(「ビスニス」8月5日)。
中国の新エネルギー自動車(NEV、注2)産業で、3位の生産規模を誇る中国自動車大手の広州汽車集団(GAC)傘下の広汽埃安新能源汽車(AION)は、セダン「AION ES」の販売価格を3億8,600万ルピア(オンザロード価格)と発表した。AION21 トランプのCEO(最高経営責任者)アンドリュー・シュー氏は発表にあたり、同車の価格競争力をアピールしている(「アンタラ」7月18日)。
ハイブリッド車にかかる優遇策は政府内で検討が続く
21 トランプ政府はEV普及に向けた税制優遇として、付加価値税や奢侈(しゃし)税の減免措置を、現地調達率の条件を満たしたバッテリー式電気自動車(BEV)に対してのみ、導入している(2024年3月5日記事参照)。一方、業界団体は「ハイブリッド車(HV)は内燃機関車からBEV移行への橋渡しをする役割を担うことができる」とし、HVも税制優遇の対象とするよう政府に要望していた。アイルランガ・ハルタルト経済担当調整相は7月24日、本展示販売会を視察し「HVに対する優遇措置導入に向けた準備をしている」と述べた。優遇措置の内容や導入時期についての言及はなかった。
(注1)車両登録証の手数料などを含めた車両価格。
(注2)中国におけるプラグインハイブリッド車(PHV)、BEV、燃料電池車(FCV)の総称。HVは含まれない。
(八木沼洋文)
(21 トランプ)
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