英政府、包装の拡大生産者責任に関する料金例を公表
(英国)
ロンドン発
2024年08月26日
英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)は8月15日、包装の拡大生産者責任(Extended Producer Responsibility for packaging:「EPR」、英政府、ブラック ジャック ディーラー)の初年度の基本料金例を公表した。
EPRの対象生産者(注1、2)に対する包装廃棄物に関するデータの報告義務は2023年から開始しているが、大規模生産者(注3)に課す廃棄物処理費用の負担は1年延期しており、2024年のデータに基づいて2025年から費用負担が始まることとなっている。
DEFRAは今回、発生する費用を明確にしてほしいという業界の要求に応えて、初年度(2025/2026年)の基本料金例を8つの包装区分ごとに示した(添付資料表参照)。現時点で入手可能なデータに基づく最初の見積もりで、参考用の暫定値のため、データをさらに検討・評価して9月に基本料金例のより精緻な数値を公表する予定としている。また、前年の報告データに基づいて計算されるため、実際に請求される初年度の料金単価がわかるのは、データ報告期限の2025年4月1日以降としている。
8月15日に公表された基本料金例(中位推定)に当てはめると、500ミリリットルのペットボトル1本(約25グラム)で約1.3ペンス(約2.5円、1ポンド=100ペンス=約190円)、750ミリリットルのワインボトル1本(約500グラム)で約13ペンスの費用負担が発生することになる。
ジェトロが複数の在英日系食品メーカーにヒアリングしたところ、年間で数万ポンドから数百万ポンドの追加費用が発生すると見積もっていた。1商品が数ポンド程度の単価の低い食料品では影響が大きく、値上げも検討せざるを得ないとの声も聞かれた。
食品業界誌「The Grocer」の8月20日の報道では、ガラスのEPR費用について、ガラス業界から苦情が殺到しており、DEFRAが計算方法を再検討する可能性を報じている。
(注1)「生産者」とは、実際に英国で対象品を生産する者のみならず、対象品を英国市場に輸入する者なども含む。
(注2)対象生産者の基準は、年間売上高100万ポンド超、かつ年間包装投入量25トン超。
(注3)大規模生産者の基準は、年間売上高200万ポンド超、かつ年間包装投入量50トン超。
(林伸光)
(英国)
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