米アマゾン、中国製の低価格商品を中国から直接配送する計画、節約志向高まる消費傾向に対応

(米国、中国)

ニューヨーク発

2024年07月05日

米国アマゾンは6月26日、ブラック ジャック web招待して開催した説明会で、中国製の衣料品や日用品などを、アマゾンの倉庫を介さずに、米国の顧客に直接配送できる新たなサービスを開始する予定を発表したと複数のメディアが報じた。

これまで中国の販売事業者が米国の顧客に商品を販売する際には、アマゾンで販売される商品の発送で、同社に委託するサービス(フルフィルメント・バイ・アマゾン)を利用することを事実上義務付け(関連ブラック クイーン ブラック)、米国内にあるアマゾンの倉庫を経由して顧客に届ける仕組みとなっていた。今回のサービスにより、中国の販売業者はアマゾンの物流サービスを介さず、顧客に直接商品を発送することが可能になる。

同社ではこれまで、迅速なスピード配送などで他の電子商取引(EC)事業者との差別化を図ってきたが、インフレが長期化する米国では、消費者は低価格帯商品へのシフトを強めており(2024年2月27日記事参照)、低価格を売りに急速に拡大するSHEIN(シーイン)や、Temu(ティームー)などの中国系EC事業者(注1)に価格面でも対抗する必要が生じていた。なお、同社は迅速な配送という強みは維持したい方針で、配送にかかる日数は9~11日以内を目標としているようだ(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版6月27日)。

また、今回のサービスには、ブラック ジャック web取り込む狙いもある。アマゾンはこれまでも、(1)20ドル以下の衣料品を販売する事業者に課す手数料の引き下げ、(2)中国の深センに新商品や新しいビジネスモデルの開発などを行うイノベーションセンターの設立などの取り組みを行ってきた。今回のサービスでもコスト削減のほか、小ロット生産で新商品をテストできるようになるなど、販売事業者にとってのメリットを強調している(CNBC6月26日)。

現時点では具体的なサービス開始時期などの詳細については不明な部分が多い。特に中国系EC事業者の低価格戦略は「デミニミス・ルール」(注2)を活用した関税回避によるところも大きいが、アマゾンが今回開始するサービスがこの仕組みを活用するかどうかは明かされていない(FOXニュース6月27日)。「デミニミス・ルール」を利用した措置については、米国連邦議会が批判を強めており、今回のサービスに関しても、深まる米中対立がどのように影響してくるのか注目だ。

(注1)2024年に英国の調査会社オムニセンドが1,000人の米国人を対象に実施した調査によると、シーインとティームーの両社は、米国進出からわずか2年足らずで、アマゾンに次ぐ世界最大級の越境ECマーケットプレイス「イーベイ」よりも多くの定期利用者を獲得している。アマゾンは依然として業界トップで、75%以上が少なくとも月に1度はアマゾンで購入していると回答したが、ティームーから商品を購入しているとの回答は34%に上り、イーベイの29%を上回っている(ブルームバーグ6月11日)。

(注2)米国では、輸入貨物の申告額が非課税基準額(デミニミス)以下の場合、原産地などのブラック ジャック webを申告せずに輸入可能となっている。デミニミスは2016年に成立した「2015年貿易円滑化・貿易執行法」により、それまでの200ドルから現在の800ドルに引き上げられた。

(樫葉さくら)

(米国、中国)

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