国民統一政府(GNU)が始動

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2024年07月16日

南アフリカ共和国で6月30日にシリル・ラマポーザ大統領が閣僚名簿を発表(ブラック ジャック 無料 ゲーム)した後、7月3日に就任式を終えた各閣僚はそれぞれの取り組みについて表明を始めており、いよいよ国民統一政府(GNU)が本格始動する。

ラマポーザ大統領は7月18日に中期戦略フレームワーク(MTSF)について演説する予定で、新政権の政策の方向性はそこで明らかになる見込みだ。

7月11日には、国際関係・協力相に就任したロナルド・ラモラ氏〔アフリカ民族会議(ANC)から入閣〕が南ア国際問題研究所(SAIIA)主催のシンポジウムで、南アの外交政策について講演した。同氏の講演からは、非同盟かつ中立・等距離外交といったこれまでの外交政策の基本路線を継承しつつ、アフリカを重視し、人権や連帯、紛争の平和的解決を目指すとした外交理念がにじむ。講演の冒頭、同氏は「グローバルな諸課題に効果的に対処するには、世界中の進歩的な勢力間の連帯が必要だ」とし、「進化する国際秩序には、非同盟運動の強化が求められており、南アは独自の積極的非同盟政策を掲げ、平和の追求において受動的ではなく能動的だ。このアプローチは、中立的であることや世界情勢に介入しないことではなく、大国間の競争に加担したくない開発途上国のために、対話を通じて平和を実現するための統一的なアジェンダを主導することだ」と述べた。こうした発言は、かつての西側、東側といった勢力図の一方に与するのではなく、独自の外交スタンスを貫きたいとする南ア政府の意向を表しているとみられる。

ラモラ氏は、2023年にラマポーザ大統領がアフリカ諸国の首脳ら6人とロシアとウクライナを訪問した()ことや、南アがイスラエルを国際司法裁判所(ICJ)に提訴したこと(2024年1月12日記事参照)を引き合いに、「南アは今後も対等な立場で世界と関わり続ける。われわれの非同盟と普遍性の姿勢は今後も神聖なままだ」と述べた。

ただ、こうした姿勢は、民主同盟(DA)とGNU政権を発足させたことで微妙に修正される可能性がある。当地専門家は、中国やロシア寄りとされる南アの外交姿勢について、「今後は(欧米との関係も含めて)よりバランスを意識したものになるだろう」との見方を示した。

(的場真太郎)

(南アフリカ共和国)

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