上海協力機構、プーチン大統領がベラルーシ加盟の意義を評価
(ロシア、ベラルーシ、中国、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、インド、パキスタン、イラン)
調査部欧州課
2024年07月12日
カザフスタンの首都アスタナで7月3~4日の両日、上海協力機構(SCO)首脳会議が開催された(関連カジノ 無料 ゲーム アプリ)。ロシアからウラジーミル・プーチン大統領が参加した。同大統領は、SCO首脳会議のほか、参加各国の首脳と個別会談を行った。
中国の習近平国家主席とは、両国が2001年のSCO発足時からの加盟国であることを強調するとともに、SCOが「公平性をもった多極的な世界秩序の中で重要な役割を担うようになった」と評価した。カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領との会談では、ロシアはカザフスタンの貿易額の17%を占めるとし、依然としてロシアが同国の重要な貿易パートナーであることを強調した。
今回の首脳会議で、これまでオブザーバーだったベラルーシが正式にSCOに加盟し、構成国は10カ国となった。プーチン大統領はベラルーシの加盟について、「東欧に位置するベラルーシの加盟によりSCOは欧州への窓口を確保した」「ベラルーシにとってはロシア、中央アジア、イランを経由して自国製品の輸出路が開ける」と述べ、その意義を評価した。
ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、同国のSCO加盟により、すでに加盟するユーラシア経済連合(EAEU)とSCOとの間の物流網の緊密化、ひいては同国からSCO加盟国向けの輸出拡大につながるとの期待を示した(カズインフォルム7月3日)。
首脳会議の結果採択された「アスタナ宣言」では、安全保障、テロ対策、過激主義への対応、麻薬対策などに重点が置かれた。ロシア政府機関紙のロシア新聞(7月4日)によると、それ以外には米国を念頭に置いたとみられる特定国によるミサイル配備拡大への反対、国家主権と領土保全の原則の侵害を阻止するための組織改編などが盛り込まれた。また同宣言では、ロシアが提唱する「大ユーラシア・パートナーシップ」(注)にも言及された。
(注)プーチン大統領が2015年の年次教書演説で提唱した、アジア地域での経済協力構想。EAEUを中心に、SCO、ASEANなどアジア地域の国家グループとの間で貿易、投資、輸送、デジタル、エネルギー、金融分野での相互協力を目指す。
(欧州課)
(ロシア、ベラルーシ、中国、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、インド、パキスタン、イラン)
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