米商務省発表の助成対象テックハブ、中西部からは4カ所が選定
(米国)
シカゴ発
2024年07月04日
米国ウィスコンシン州のトニー・エバース知事(民主党)とタミー・ボールドウィン上院議員(民主党)は7月2日、同州が米国商務省経済開発局(EDA)のテックハブプログラムを通じて助成対象となる12カ所のテックハブ(2024年7月3日記事参照、注1)の1つに選定されたと発表した。これによって、約4,900万ドルの助成金の提供を受けることとなる。同州のテックハブは「ウィスコンシン・バイオヘルス・テックハブ」と呼ばれ、画像化/セラノスティクス(注2)、ゲノミクス(注3)、ビッグデータ/解析の3つの主要分野で、同州での個々の病状に合わせた医療革新と製造・商業化エコシステムの強化を目指している。同州の発表によると、テックハブとして指定されたことにより、州内で最初の10年間に個々の病状に合わせた医療分野で3万人以上の雇用と、11万1,000人以上の間接雇用が創出されると予測している。さらに、同州に90億ドル相当の経済発展をもたらすと見込んでいる。
なお、今回助成対象となることが発表された12カ所のテックハブのうち、中西部からはウィスコンシン州以外に以下の3カ所も選定された。最終的な助成額は今後数カ月以内に確定される。
(1)インディアナ州のハートランド・バイオ・ワークス
米国のバイオテクノロジー・サプライチェーンを強化し、人、動物、植物に関する次世代バイオ製品を早く見つけ出し、開発・商業化につなげる一連の流れを容易にすることを目指す。助成金は5,100万ドル。
(2)イリノイ州のiFABテックハブ
精密発酵技術によって、現在十分に利用されていないトウモロコシ原料を高付加価値で個別ニーズに合わせた代替タンパク質、食品原料、材料、化学薬品などに転換することを目指す。助成金は5,100万ドル。
(3)オハイオ州のサステナブル・ポリマーズ・テックハブ
米国で持続可能な新しいポリマー(天然および合成樹脂)の製造と商業化を加速することで、化石燃料由来のゴムとプラスチックの消費を削減し、それらの使用による気候と環境への深刻な影響の改善に取り組むことを目指す。助成金は5,100万ドル。
(注1)今回の12カ所は、2023年10月に支援対象に指定された先端技術分野の研究開発に従事する全米31カ所のテックハブの中から選ばれた(関連実写 版 ブラック ジャック)。
(注2)Theranostics。治療(Therapeutics)と診断(Diagnostics)を一体化した新しい医療技術。
(注3)生物の持つ遺伝オンライン ブラック ジャックと遺伝子について研究する生命科学分野。
(星野香織)
(米国)
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