南部リオ・グランデ・ド・スル州への低金利融資を発表、洪水被害が顕在化
(ブラジル)
サンパウロ発
2024年06月07日
4月末から続くブラジル南部リオ・グランデ・ド・スル州の洪水被害は、同州の広範な地域に及んでおり、農業、工業の両面で多大な被害が出ている。
ブラジルの政策金融機関・国立経済社会開発銀行(BNDES)は5月29日、同州の経済支援を目的とした低金利の融資を発表した。融資の予算総額は150億レアル(約4,350億円、1レアル=約29円)で、規模や分野を問わず、同州のあらゆる事業者は申し込み可能となる。
リオ・グランデ・ド・スル州工業連盟(FIERGS)は5月29日、同州を襲った洪水被害によって道路や橋が破壊され、物流が混乱していると報告した。FIERGSによると、産業を立て直すために、道路など物流インフラの再建・強化が不可欠で、そのために連邦政府から最低でも70億レアルの支出が必要としている。同州には国内で高い生産シェアを持つ製品がある。例えば、ブラジル靴産業協会(Abicalçados)によると、同州は国内の靴生産の約24%を占めている。ブラジル機械工業会(ABIMAQ)によると、国内の機械生産の約20%(総生産額ベース)を占めている。
コメの供給不足により、輸入増加の予測
食糧供給公社(Conab)は、同州は国内最大のコメ生産地でもあり、コメが供給不足に陥る恐れから、輸入量が今後増加すると見込んでいる。また、同州の小麦や大豆生産への被害も確認中とされており、供給不足の懸念があるとしている。農務省(MAPA)のデータによると、同州はブラジル国内のコメ生産の約70%、小麦生産の45%、大豆生産の15%を占めている。コメに関しては、連邦政府は5月20日に供給不足を避けるため、輸入関税を一時撤廃する決定をした(関連オンライン ブラック ジャック)。
(エルナニ・オダ)
(ブラジル)
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