欧州鉄鋼・アルミ部門、中国などの過剰生産への対応でEU・米に交渉妥結を要請
(EU、米国)
ブリュッセル発
2024年06月20日
欧州鉄鋼連盟(EUROFER)とヨーロピアン・アルミニウムは6月13日、EUと米国に対し、「鉄鋼・アルミニウム・グローバルアレンジメント」交渉の早期妥結を要請する共同声明を発表した。同交渉は2021年10月に始まり(米国、EUと鉄鋼・アルミ貿易で合意、追加21)、世界の鉄鋼・アルミを巡る炭素排出と過剰生産問題に対処することを目的とする。
声明によると、非市場経済的な過剰生産は中国を中心に続いている。中国企業は政府の支援を受けて製造コストを抑え、第三国にも進出。ASEAN、インド、中東や北アフリカ諸国などでも過剰生産となり、輸出を増やしつつあると指摘。こうした国・地域がグローバル市場を歪曲(わいきょく)し、製品価格の低下や企業の負担増加を招き、鉄鋼・アルミ部門の成長や、研究開発と持続可能性向上への投資が損なわれると危機感を示した。
そこで、EUと米国は足並みをそろえ、共通の関税制度など新たな通商手段によって過剰生産問題に対処し、バリューチェーン全体を対象とした輸入モニタリングシステムを立ち上げる必要があると主張した。また、両者の鉄鋼・アルミ部門の脱炭素化政策のアプローチは異なるが、協力して生産コストについて公正な競争環境を形成し、世界全体の二酸化炭素(CO2)排出削減に取り組む必要があるとした。
さらに、EUと米国間の鉄鋼・アルミニウム製品の関税問題(関連ブラック ジャック 勝ち)の解決に向けても、グローバルアレンジメントの合意が重要と指摘。両者が世界の過剰生産の解消に資する内容で合意し、米国が1962年通商拡大法232条に基づく鉄鋼・アルミの輸入品への一方的な追加関税措置を撤廃することを期待するとした。
(滝澤祥子)
(EU、米国)
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