4月のカナダ消費者物価指数、前年同月比2.7%上昇
(カナダ)
トロント発
2024年05月27日
カナダ統計局が5月21日に発表した4月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で2.7%上昇と2024年3月の上昇率(2.9%、関連ブラック ジャック ブラック)を0.2ポイント下回った(添付資料表参照)。これは新型コロナウイルス感染への対策による行動制限により経済活動が縮小していた2021年3月(2.2%)以降で、最も低い水準となった。
統計局は上昇率鈍化の主な要因として、店舗売りの食品価格(外食を除いた食品価格、1.4%増)、サービス価格、耐久消費財価格の安定を挙げた。一方、ガソリン価格(6.1%増)は、夏用ガソリンへの切り替えに伴うコストの増加や、供給懸念による原油価格の上昇、連邦炭素税の引き上げなどが原因となり、3月(4.5%増)に引き続き上昇した。
発表を受けて同日、ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)傘下のRBCエコノミクスのエコノミスト、アビー・シュウ氏は「カナダ経済の背景(1人当たりのGDPの低下と失業率の上昇)が引き続き軟調であることから、CPIの鈍化が続く公算が大きい。カナダ中央銀行による利下げ観測は引き続き高まっている」とコメントし、6月に最初の利下げが実施されるとの予想を維持している(RBC経済アップデート5月21日)。
一方、トロント・ドミニオン銀行の調査部門TDエコノミクスのマネジング・ディレクターのレスリー・プレストン氏は「中銀が推奨するインフレ指標は、ほぼ3年ぶりに1~3%の目標幅に入った。しかし、現状のインフレ率はまだ中銀の目標幅の上限に近い」とコメントし、7月に最初の利下げが実施されると予想している(TDエコノミクス5月21日)。
中銀の次回の政策金利発表は6月5日に予定されている。
(斎藤健史)
(カナダ)
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