米新興EVメーカーのリビアン、イリノイ州から総額8億2,700万ドル相当のインセンティブ獲得
(米国)
シカゴ発
2024年05月21日
米国新興電気自動車(EV)メーカーのリビアン(本社:カリフォルニア州)は5月2日、米イリノイ州商務および経済機会局(Illinois Department of Commerce & Economic Opportunity)から30年間で総額8億2,700万ドル相当のインセンティブを獲得したと発表した。インセンティブの大半は、「イリノイにおけるエネルギーと自動車の再構築法(REVイリノイ法、Reimagining Energy and Vehicles in Illinois Act:REV Illinois Act)」に基づいた、労働力の開発にひもづく税額控除で、総額6億3,400万ドルにのぼる。イリノイ州との30年間の契約期間中、同社は少なくとも6,000人の雇用を維持することとなっている。
また、この支援によって得られる資金は、同州ノーマルにある既存工場での新型スポーツ用多目的車(SUV)「R2」の生産に向けた施設拡張、公共インフラの整備、従業員の職業訓練プログラムなどに充てられる。同社は今回のインセンティブを受けるにあたり、ノーマル工場へ15億ドルの新規投資をすることとなっており、今後5年間で550人の新規雇用が創出される見込みだ。
なお、同社は2024年3月の中型SUV「R2」「R3」「R3X」の製品発表プレスリリースで、ジョージア州でのEV工場建設の一時中断とイリノイ州のノーマル工場での「R2」の生産開始を発表していた(米新興EVメーカーのリビアン、無料)。同社は、「R2」のノーマル工場での生産開始によって、同製品の市場への投入を早め、必要とする資本を大幅に削減できるとしている。
ノーマル工場では、引き続き「R1S」「R1T」と、アマゾンで採用されているEV型デリバリートラックが生産される予定で、施設の拡張は今後数カ月のうちに開始される見込みだ。
(星野香織)
(米国)
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