ダッカでモーターショー開催、現地組み立て車やEVにも注目
(バングラデシュ)
ダッカ発
2024年05月27日
バングラデシュ唯一の自動車の国際展示会「ダッカ・モーターショー」が5月23~25日、ダッカ市内のボンゴボンドゥ・バングラデシュ中国友好エキシビションセンターで開催された。同展示会は、米国のセムス・グローバル(CEMS-Global)が毎年主催しており、今回が17回目の開催となった。出展企業一覧や来場者数については公表されていないものの、日本企業(三菱自動車、ホンダ)、メルセデス・ベンツ(ドイツ)、起亜(KIA、韓国)、プロトン(Proton、マレーシア)、中国の上海汽車グループ傘下の英国系MGモーターに加え、ハバル〔長城汽車のスポーツ用多目的車(SUV)ブランド〕、ジェクー(Jaecoo、奇瑞汽車のSUVブランド)など、SUVを中心とする中国からの出展が目立った。
三菱自動車は、現地販売代理店のランコングループ(2022年7月27日記事参照)傘下のラングスがバングラデシュ市場で展開しているクロスオーバーMPV「エクスパンダ―(Xpander)」やミドルサイズSUV「アウトランダー(Outlander)」を出展。また、同グループはバングラデシュでの商用生産を計画しているプロトンの小型SUV「X70」の展示も行った。
ホンダはミドルサイズセダン「シビック(CIVIC)」や小型セダン「シティ(City)」などを出展。メルセデス・ベンツは電気自動車(EV)の「EQ(4車種)」を打ち出し、来場者の注目を集めていた(「デーリー・スター」紙5月26日)。
一方で、地場系有力グループ「フェア・グループ」傘下のフェア・テクノロジーへの技術協力により、2023年からコンプリートノックダウン(CKD)方式(注)で小型SUV「クレタ(Creta)」の委託生産を行っている現代自動車(Hyundai、韓国)や、2024年3月にバングラデシュ初となるショールームをダッカに設置した中国のEV最大手メーカー比亜迪(BYD)の出展はみられなかった。
展示会主催者のセムス・グローバルの発表によると、バングラデシュの自動車市場(年間販売金額)の規模は約130億~140億タカ(約169億~182億円、1タカ=約1.3円)、年間成長率は10~12%に上る。経済発展により、特にここ20年間で中間層から上位中間層の購買力が高まっており、直近10年間の乗用車登録台数の前年比成長率(平均値)は7.2%となっている。政府が2022年から外貨準備高の水準を維持するため、現在も講じている輸入の抑制措置(関連ブラック ジャック カード)で自動車はその主対象の中、同市場の今後の情勢が注目される。
(注)部品を輸出し、現地で組み立てや溶接などを行い、自動車として完成車にする方式。
(山田和則)
(バングラデシュ)
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