日米韓財務相会合が初開催、経済的威圧やサプライチェーン強靭化についての協調を確認

(日本、米国、韓国)

ニューヨーク発

2024年04月18日

日本の鈴木俊一財務相、米国のジャネット・イエレン財務長官、韓国の崔相穆(チェ・サンモク)韓国経済副首相兼企画財政部長官は4月17日、米国の首都ワシントンで日米韓財務相会合を開催し、共同声明を発表した(日本側発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます米国側発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます韓国側発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。3カ国財務相会合の開催は今回が初めて。2023年8月の日米韓首脳会談()で3カ国財務相会合の立ち上げが合意されていた。

共同声明では、「持続可能な経済成長および金融の安定ならびに秩序立った良好に機能する金融市場を促進するため、3カ国で引き続き協力していく」としたほか、「最近の急速な円安およびウォン安に関する日韓の深刻な懸念を認識しつつ、外国為替市場の動向に関して引き続き緊密に協議する」とした。

共同声明には、3カ国にまたがる地域情勢や経済安全保障についての文言も盛り込まれた。具体的には、ロシアおよび北朝鮮に対して、各国の制裁手段を活用し、調整するとのコミットメントを確認した。さらに、経済的威圧と主要部門における過剰生産能力を含むサプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)性と他国の非市場的慣行によって、3カ国経済が影響を受け得る損害に対処するための協調の重要性を強調した。このほか、ASEANおよび太平洋島しょ国の重要性を再確認し、同地域のマクロ経済と金融の強靱(きょうじん)性および健全性を強化するために力を結集するとした。

イエレン財務長官は、先立つ4月3~9日に中国を訪問し、李強首相や何立峰副首相ら複数の要人と会談した中で、中国の非市場的政策や慣行による過剰生産能力が米国の労働者や企業に与える影響について懸念を示していた()。また、米国通商代表部(USTR)は、米国が優先的に取り組む通商課題を示した「外国貿易障壁報告書(NTE)」において、特に中国の鉄鋼・アルミニウムや太陽光発電などの産業分野の過剰生産能力を指摘している(バイデン米政権、2024年外国貿易障壁報告書を公表、ブラック)。

また、日本の財務省は、3カ国財務省会合に先立って、日米・日韓でそれぞれ2国間財務相会合を行い、2国間での連携強化について確認したとしている。

(葛西泰介)

(日本、米国、韓国)

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