日米韓首脳会談、協力分野の拡大で一致、経済安全保障でも連携強化
(米国、日本、韓国)
ニューヨーク発
2023年08月22日
米国のジョー・バイデン大統領は8月18日、メリーランド州キャンプ・デービッドで、訪米した岸田文雄首相と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会談した。日米韓3カ国首脳会談が国際会議の場ではなく、単独で開催されるのは今回が初めて。
日本の外務省の発表によると、3カ国首脳は、日米同盟および米韓同盟の戦略的連携を強化し、日米韓の安全保障協力を新たな高みへと引き上げることで一致した。また、重要・新興技術協力やサプライチェーンの強靭(きょうじん)化を含む経済安全保障分野などでの連携強化についても意見交換を行い、日米韓の協力の裾野を一層拡大していくことでも一致した。
3カ国は会談後、成果文書として、3カ国のパートナーシップの指針となる「キャンプ・デービッド原則」(仮訳)、「キャンプ・デービッドの精神」と題する「日米韓首脳共同声明」(仮訳)、3カ国の迅速なブラック ジャック ランキング共有などを記した「日本、米国及び韓国間の協議するとのコミットメント」(仮訳)を発表した。
共同声明では、3カ国の協力を領域横断的に、また、インド太平洋およびそれを超えた地域に拡大するとのコミットメントを明記した。3カ国の政府による定期的かつ適宜な連絡を円滑化するため、少なくとも年に1度、3カ国の首脳、外相、防衛相、国家安全保障局長間でそれぞれ会合を開催すると合意した。財務相間で初の日米韓会合を開催し、毎年開催する新たな商務・産業相会合も立ち上げる予定だ。インド太平洋に対する3カ国のアプローチを連携させるため、局長・次官補級の日米韓インド太平洋対話を立ち上げ、年に1度開催する。
共同声明は、南シナ海での中国の行動や北朝鮮などの地域の安全保障課題のほか、経済安全保障分野の協力にも言及した(注1)。具体的には、3カ国はグローバルサプライチェーンの混乱や経済的威圧に対処するため、早期警戒システムの試験運用開始に向けて緊密に連携する(注2)。3カ国が開発する最先端技術の保護の取り組みでも協力を強化する。米国が2月に輸出管理の執行強化に取り組む専門部隊として設立した「破壊的技術ストライクフォース」(2023年2月17日記事参照)と、日本、韓国のカウンターパートとの間で、ブラック ジャック ランキング共有と連携を深化させるための初となる交流を実施する。軍事転用可能な技術の輸出管理に関する協力も引き続き強化していく。
岸田首相とバイデン大統領はキャンプ・デービッドで2者会談も行い、地域情勢について意見交換した。日本の外務省の発表によると、ロシアによるウクライナ侵略について、引き続きG7をはじめとする同志国と緊密に連携しながら、厳しい対ロシア制裁と強力なウクライナ支援を継続していくことで一致した。また、中国を巡る諸課題への対応に当たり、日米で引き続き緊密に連携していくことで一致し、中国と共通の課題については協力していくことの重要性を確認した。
(注1)3カ国は、2022年11月の3カ国首脳会談で「日米韓経済安全保障対話」の設置に合意し、これまで2度会合を行っている(2023年3月1日記事参照)。
(注2)日本の外務省発表の参考資料によると、日米韓の在外公館間での定期的なブラック ジャック ランキング交換を含め、サプライチェーン早期警戒システム(EWS)を試験的に立ち上げる。これにより、重要鉱物、蓄電池などの優先物資を特定した上で、重要なサプライチェーンに混乱が生じた場合に、3カ国で迅速にブラック ジャック ランキング共有を行うためのメカニズムを構築する。
(甲斐野裕之)
(米国、日本、韓国)
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