第45回バンコク国際モーターショー、中国系EVの競争過熱
(タイ、中国、ベトナム)
バンコク発
2024年04月15日
タイのバンコク北西郊外にある国際展示場インパクト(IMPACT)で3月27日~4月7日、「第45回バンコク国際モーターショー(BIMS)」が開催され(主催者発表)、前年並みの約161万人が来場した(関連ブラック ジャック web)。BIMSでは、来場者がその場で自動車の購入予約をすることが可能で、自動車・バイクの成約台数は前年比26.0%増の5万7,933台となった。自動車は24.6%増の5万3,438台、そのうち電気自動車(EV)が1万7,517台(前年比89.7%増)と3分の1を占めた。バイクは45.0%増の4,495台の成約があった。
販売が多かったブランドは、トヨタ(8,540台)、BYD(5,345台)、ホンダ(4,607台)、上海汽車のMG(3,518台)、三菱自動車(3,409台)、長安汽車(3,073台)、広州汽車のAION(3,018台)、長城汽車のGWM(2,815台)、いすゞ(2,734台)、日産(2,488台)、マツダ(2,292台)、メルセデス・ベンツ(1,642台)、合衆新能源汽車のNETA(1,618台)、スズキ(1,608台)、フォード(1,469台)、起亜(1,151台)、現代(1,080台)、BMW(1,001台)などだった。上位10ブランド中、半数は日系、もう半分は中国系と拮抗(きっこう)した。
前年にも増して、EVが展示の中心となった。最も販売が多かったトヨタのブースでは、バッテリー式EV(BEV)版ピックアップトラックの「ハイラックス」が展示された。国内自動車生産の約6割をピックアップが占めるタイでは、政府や産業界からBEVピックアップへの期待が高い。いすゞも、BEVピックアップの「D-MAX EV」を展示し、来場者の注目を集めていた。
中国系メーカーでは、前年は見られなかった中国新興EVメーカーの小鵬汽車(XPENG)や吉利汽車の「ジーカー(ZEEKR)」の大型ブースが見られた。上海汽車や長城汽車、NETAは既にタイでのBEV現地生産を開始し、BYD、広州汽車、長安汽車も工場建設を進めており、中国系BEV同士の競合がさらに過熱する状況にある。
また、ベトナムの「ビンファスト」も初出展となった。日系や中国系、欧州系が多い中、ASEAN発の自動車メーカーとして関心を集めた。
自動車本体以外にも、中国の華為技術(ファーウェイ)のシステム「HMS」を搭載した自動車を展示するブースも見られた。これまでタイの展示会では見られなかった複数の車載カメラや人工知能(AI)を使ったハンズフリーでの操作など、スマートカー関連技術の体験が可能で、来場者を驚かせていた。
(北見創)
(タイ、中国、ベトナム)
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