ステランティス、南米に300億レアルの追加投資発表

(ブラジル)

サンパウロ発

2024年03月18日

自動車大手ステランティスは3月6日、2025年から2030年にかけて南米地域を対象とした300億レアル(約9,000億円、1レアル=約30円)の追加投資を発表した。今回の投資は南米市場で40以上の新車種の投入および脱炭素化技術の開発に充てられるとする。ただ、3月6日付現地紙「グローボ」によると、今回発表された投資額はその全額がブラジル向け、と報道されており、加えて別途アルゼンチン向けに20億レアル(約600億円)の投資計画が準備されているとしている。

今般の発表では投資計画の柱の1つとして、ブラジル市場に向けて開発中のフレックスハイブリッド車(注1)である「バイオハイブリッド」の製造を挙げている(関連実写 版 ブラック ジャック)。同タイプの製造開始は2024年末に予定されている(注2)。

ステランティスのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は、同社リリースを通じ、「ステランティスは今回の発表によって、南米自動車業界への信頼とコミットメントを固持する。本投資の実行を決定づけたのは、紛れもなく南米の良好なビジネス環境だ」と述べた。また、3月6日付現地紙「バロール」に掲載されたインタビューでは、「ブラジルの場合、エタノールという素晴らしい選択肢がある」と前置きしつつ、エタノールで走行可能なハイブリッド車が電気自動車と同様に脱炭素化へ貢献し得る点を強調した。

南米ステランティスのエマニエレ・カペラーノ最高執行責任者(COO)は、3月10日にCNNブラジルのインタビューに応じ、「新自動車産業政策(MOVER)(ブラック ジャック 勝率 ジェトロ活用事例)など、ブラジル政府が主導するプログラムを見ると、国内産業とモビリティのサステナビリティを実現する意思があると推察できる。これにより、われわれも安心して投資ができる」と政府の産業支援策を評価した。

(注1)フレックスハイブリッド車の場合、内燃機関はガソリンとバイオエタノールとの組み合わせで走行できる。

(注2)詳細は未発表だが、バッテリー式電気自動車(BEV)の投入も予定されている。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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