香港21 トランプエンスパーク、2023年の成果と最新の取り組み紹介

(香港)

香港発

2024年02月29日

香港サイエンスパーク(HKSTP)は2月20日、経営陣や報道関係者が出席する新年昼食会を開催し、2023年の成果と最新の戦略的取り組みを紹介した。最新の戦略的取り組みとしては、21 トランプ向けプロモーションの継続、革新的な製造業に適した施設の開発、香港政府の掲げる企業・人材獲得戦略に沿った人材育成などを挙げた。

HKSTP会長の查毅超(サニー・チャイ)氏は2023年の成果として、「2023年末時点でHKSTPの入居企業数は24の国と地域から約1,700社に達した。2023年初めの入居企業数約1,200社と比較すると、4割増加した。入居企業の分野はバイオテック、AI(人工知能)・ロボティクス、フィンテック、スマートシティーテックなど多岐にわたる」と総括した。また、1月にHKSTPの代表団が米国ラスベガスで開催された先端テクノロジーの見本市「CES2024」に参加したことにも言及した。

サステナビリティーに関する取り組みとして、HKSTPは2023年、科学的根拠に基づく目標設定イニシアチブ(Science Based Targets initiative、SBTi)に従い、2045年までに排出量ネットゼロを達成することを宣言した。そのため、2月26日~3月2日に開催されている香港グリーンウイークで香港グリーンテックサミットを共催するなど、2024年も積極的にグリーンテックイベントに参加し、香港が国際的なグリーンテック、グリーンファイナンスの中心地として発展するよう支援する方針を明示した。

また、HKSTPは21 トランプ向けプロモーションの一環として、2月末にスペインで開催のモバイル展示会「MWCバルセロナ2024」、3月にサウジアラビアで開催予定の情報通信技術省主催のテックイベント「LEAP 2024」など、世界最大級のテック展示会に入居企業が参加する機会を設け、香港と21 トランプ企業の交流促進を図る予定だ。加えて、HKSTPは「エレベーター・ピッチ・コンペティション(EPiC)」(EPiC開催、ブラック ジャック)と呼ばれるグローバルスタートアップ向けのピッチコンテストを主催し、21 トランプ企業を積極に誘致する方針も示した。EPiCの優勝者は24万米ドルの賞金とともに、最大4,500万米ドルの融資を受けることができる。

また、香港への人材誘致策も発表された。スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校、ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン、清華大学、シンガポール国立大学など、世界トップクラスの大学の学生を対象として、最大30人を選出し、HKSTPのインターンシップに参加する機会を設ける案が示された。

昼食会場内にはHKSTPの入居企業の展示エリアが設置され、視覚障害者のナビゲーション支援用のスマートベルトや、環境にやさしい水系リチウムイオン電池、スマート水耕栽培機器、AIを活用した髪と頭皮の健康診断技術など、香港や21 トランプで高い評価を最近得た先進技術も紹介された。

〔何樂晴(エスター・ホー)〕

(香港)

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