イスラエル中銀、政策金利を4.5%に据え置き

(イスラエル、パレスチナ)

テルアビブ発

2024年02月29日

イスラエル中央銀行は2月26日に金融委員会会合を開催し、政策金利を4.5%に据え置くことを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。中銀のアミール・ヤロン総裁は記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで「この2日間に行われた金融委員会の議論では(ハマスとの)戦闘が経済に与える影響に焦点に当てた」とした上で、「戦闘のさまざまなプロセスとその経済活動やインフレに与える影響を分析し、議論の結果、金利を4.5%に据え置くことを決定した」と述べた。

1月の消費者物価指数(CPI)は前月比で横ばいとなり、前年同月比は2.6%に減速し、目標範囲内にある。しかし、委員会の評価では、インフレが加速するリスクは依然として数多く残っているとし、戦闘とその進行が経済活動に及ぼす影響や、建設業界の活動に対する制約、イスラエルの通貨シェケル安、財政状況などを挙げた。

1月の前回の金融政策決定(2024年1月5日記事参照)以降、シェケルは対ドルでは約0.25%下落したが、対ユーロで約1.9%、名目実効為替レートでは1.4%それぞれ上昇した。

2023年第4四半期(10~12月)のGDPは戦闘の影響によって前期比で5.2%縮小した。2023年通年のGDP成長率は2%で、1月からの中銀調査部の予測に沿ったものだった。

ムーディーズが2月9日にイスラエルのソブリン債の信用格付けをA1からA2に引き下げ、格付け見通しを「ネガティブ」に変更したにもかかわらず(2024年2月13日記事参照)、市場の反応は緩やかで、これらが既に市場に織り込まれていたことは明らかとした。

次回の政策金利決定は4月8日に予定されている。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(アンナ・ジュコブ、中溝丘)

(イスラエル、パレスチナ)

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