2023年の英国の乗用車生産台数、前年比16.8%増
(英国)
ロンドン発
2024年02月13日
英国自動車製造販売者協会(SMMT)は1月25日、2023年の英国の乗用車生産台数を発表した。総生産台数は前年比16.8%増の90万5,117台だった(添付資料表1参照)。半導体不足やロックダウンなど新型コロナウイルスによる影響が徐々に解消していることや、電気自動車(EV)の需要増加によって、全体の生産台数が増加したとしている。また、同年には自動車生産に237億ポンド(約4兆4,556億円、1ポンド=約188円)規模の官民投資が発表されたほか、8車種の新モデルの生産も開始されたとした。
バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HEV)の生産台数は前年比48.0%増の34万6,451台で、過去最高を記録した2022年を大きく上回った。総生産台数に占める割合は前年比8.1ポイント増の38.3%となった。
英国内市場向け生産台数は前年比13.7%増の19万1,247台。輸出向けは17.6%増の71万3,870台で、総生産台数の78.9%を占めた。最大の輸出先はシェア60.3%のEUで、前年比23.2%増の43万411台だった。米国向けは前年比9.1%減の7万3,571台でシェア10.3%、中国向けは前年比2.7%減の5万1,202台でシェア7.2%だった。一方、トルコへの輸出は前年比3.2倍の2万7,346台に急増。日本、オーストラリア、韓国などを上回った(添付資料表2参照)。
メーカー別の生産台数では、日産が前年比36.3%増の32万4,893台で、前年に続き1位、トヨタが前年同様、4位だった(添付資料表3参照)。
SMMTは2024年の自動車生産について、紅海情勢の物流業界への影響という逆風はあるものの、引き続き成長を期待しており、乗用車と軽商用車の合計で2023年比3%増の104万台を予測している。これは、EUとの通商・協力協定(TCA)のEVとEV向けバッテリーに対する品目別原産地規則に対する緩和措置の延長を踏まえたものだ()。一方で、この見込み達成には、政府の政策による支援が不可欠としている。
(チャウジュリー・クリシュナ)
(英国)
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