低排出ガス車の国内新規登録台数、1月は前年同月比増、2024年通年は減少予測
(ドイツ)
ミュンヘン発
2024年02月15日
ドイツ連邦自動車局(KBA)は2月5日、1月の国内の乗用車新規登録台数は21万3,553台(前年同月比19.1%増)と発表した。
燃料別にみると、バッテリー式電気自動車(BEV)が2万2,474台(前年同月比23.9%増)と増加し、全体に占めるシェアも2023年1月の10.1%から10.5%に拡大した。プラグインハイブリッド車(PHEV)は1万4,394台(62.6%増)で、全体に占めるシェアは2023年1月の4.9%から6.7%に拡大した。ガソリン車は8万1,724台(16.9%増)、ディーゼル車は4万936台(4.3%増)だった。全体でのガソリン車のシェアは2023年1月の39.0%から38.3%に縮小し、ディーゼル車も21.9%から19.2%に縮小した。
主要ブランド別にみると、フォルクスワーゲン(VW)が4万1,548台(前年同月比12.1%増)で、シェアでは19.5%と最大だった。これに、メルセデス・ベンツ2万1,323台(0.5%減、シェア10.0%)、シュコダ1万6,686台(21.3%増、7.8%)、BMW1万6,087台(44.2%増、7.5%)、アウディ1万5,439台(4.6%増、7.2%)と続いた。日本メーカーでは、トヨタ自動車(レクサスを除く)6,703台(2.5%増、3.1%)、マツダ2,879台(13.5%減、1.3%)、日産自動車2,512台(25.7%増、1.2%)、三菱自動車2,348台(3.5倍、1.1%)、スズキ1,153台(36.3%減、0.5%)などだった。
なお、2023年12月に新車購入時の補助金「環境ボーナス(Umweltbonus)」が突然終了したが(注、2023年12月25日記事参照)、BEVの新規登録台数は同月の5万4,654台と比較すると、1月は58.9%減となった。
ドイツ自動車産業連合会(VDA)は2月5日のプレスリリースで、2024年のドイツ乗用車市場の予測に言及した。予測では、低排出ガス車(BEVとPHEV)の1月の新規登録台数は前年同月比で増加したものの、2024年通年では減少するという。VDAは1月の前年同月比増加の要因として、2023年1月に「環境ボーナス」制度が縮小されたことが影響し(2022年8月3日記事参照)、同月の低排出ガス車の新規登録台数が減少していたことを挙げた。また、2024年1月の低排出ガス車のシェアは17.2%で、2023年通年のシェア24.6%に比べて7.4ポイント低下した。
一方、2024年通年では、VDAは低排出ガス車の国内新規登録台数について、BEVが45万1,000台(前年比14%減)、PHEVが18万5,000台(5%増)と予測している。また、1月30日に発表した予測では、国内新規登録台数は280万台(1%減)と、新型コロナウイルス禍以前の2019年を約25%下回るとした。
(注)「環境ボーナス」は、2022年12月末まではBEV、PHEV、燃料電池車(FCEV)が対象だったが、2023年1月にはBEVとFCEVのみが対象になった。2023年12月に終了。
(クラウディア・フェンデル)
(ドイツ)
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