IMFが外貨準備高の純残高(ネット値)など公開、目標を下方修正へ

(バングラデシュ)

ダッカ発

2023年12月20日

IMFは12月14日、総額47億ドルに及ぶバングラデシュ政府への融資に係る、第1回公式レビューの完了(2023年12月18日記事参照)に伴う記者発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますをダッカで行うとともに、同レビューの詳細を記載したスタッフ・レポートを公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同レポートでは、これまでバングラデシュ中央銀行、IMFいずれも非公開としていた、主として短期間で流動する外貨を差し引いたネット値の外貨準備高(Net International Reserves:NIR)が、159億ドル(2023年10月31日時点)であることが公開された。

IMF融資にひもづく同ネット値の目標としては、2023年6月末時点で237億4,400万ドル(注)と定められていたところ、今般のレビューの結果、195億6,200万ドルだったことも明らかになった。IMFによると、この約42億ドルの不足分について、バングラデシュ中銀から目標の免除要請(a waiver for the non-observance)があり、諸外国で積極的に進められた金融引き締めや、それらによるバングラデシュへの想定以上の余波を考慮し、IMFはこの申し出を受け入れるとともに、次回以降のレビューで審査する2023年12月末の目標値は177億8,400万ドル、さらに2024年6月末は同201億900万ドルと、目標を下方修正した。

同レポートでは、中銀によるさらなる金融引き締めに向けた政策導入に係る取り組みや市場の需給に応じた変動相場制への移行に加え、上述の「外的要因」の平常化やさらなる輸出の伸長、資本の流入が今後進むことで、中期的には外貨準備高の改善が見込まれるとの見方も示された。その他、融資にひもづく目標(2023年5月18日記事参照)に係るアセスメントにも言及している。

(注)2023年1月の同融資プログラムの承認時には、244億6,200万ドルで設定されていたところ、2022/2023年度(2022年7月~2023年6月)内の他の援助国・機関によるバングラデシュ政府に対する財政支援(budget support)がIMFの当初想定を下回ったため、約7億ドル下方修正されていた。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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