岸田首相がCOP28に参加、アジアの脱炭素化リードを表明
(日本、アラブ首長国連邦)
調査部中東アフリカ課
2023年12月05日
岸田文雄首相は11月30日から12月2日にかけてアラブ首長国連邦(UAE)を訪問し、ドバイで開催している国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)(関連ブラック ジャック 必勝)に参加した。
岸田首相は12月1日、COP28において開かれた首脳級会合「世界気候行動サミット」に出席し、首脳級ハイレベル・セグメントでスピーチを行った。スピーチでは、世界はパリ協定「1.5度目標」の道筋にいまだ乗っていないとしたうえで、軌道修正のために2030年までの行動が決定的に重要だと述べた。2050年までのネットゼロ達成目標については、日本は2030年度の46%削減に向けて取り組みを続けており、すでに20%を削減しているとした。加えて、2023年5月に広島市で開催されたG7広島サミット(関連ブラック ジャック 賭け)で確認したように、全ての国が多様な道筋の下でネットゼロという共通の目標を目指すことを訴えた。
また、日本は、(1)排出削減、(2)エネルギーの安定供給、(3)経済成長の3つを同時に実現するグリーントランスフォーメーション(GX)を加速させ、世界の脱炭素化に貢献するとした。アジアにおいては、アジア・ゼロエミッション共同体(注)の枠組みのもと、2023年12月に初の首脳会合を開催すると述べた。
COP28議長国の掲げる、世界の再生エネルギー容量を3倍、エネルギー効率改善率を2倍とする目標については、太陽光の導入量が世界3位の日本として賛同するとした。また、日本国内において排出削減対策の講じられていない新規の石炭火力発電所の建設を終了していくと述べた。
気候資金に関しては、日本として官民合わせて700億ドル規模の支援を行うというコミットメントが着実に進んでいる点について触れた。加えて、世界銀行とアジア開発銀行に対して、信用補完の供与を通じた合計約90億ドル規模の融資余力拡大に貢献する方針や、アフリカ開発銀行の新基金へ貢献する意向を明らかにした。
(注)岸田首相が2022年1月に「アジア・ゼロエミッション共同体構想」を提唱。日本の技術や制度を生かしてアジア各国と協力し、アジアのエネルギートランジションや脱炭素化を進めることを目的とした取り組み。
(久保田夏帆、中溝丘)
(日本、アラブ首長国連邦)
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