野党支持が連立政権支持を上回る、イスラエル各種世論調査

(イスラエル、パレスチナ、米国)

テルアビブ発

2023年12月21日

イスラエルの複数のメディアが実施したイスラエルの国会に相当するクネセトの選挙に関する世論調査で、野党への支持がベンヤミン・ネタニヤフ首相率いる連立与党への支持を上回っていることがわかった。

イスラエルのニュース番組「ニュース12」は12月18日、クネセトの選挙などに関する世論調査結果(注1)を発表した。もしクネセトの選挙がきょう行われたら、どの党に投票するかという問いに対して、ベニー・ガンツ氏が率いる野党の「ナショナル・ユニティ」(現有議席数12)が37議席を獲得して最大の勢力となり、ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いる「リクード」(同32議席)は18議席にとどまった。ヤイル・ラピッド前首相率いる「イェシュ・アティド」(24議席)は15議席だった(添付資料表参照)。「ナショナル・ユニティ」は10月11日に発足した戦争内閣に加わっているが(2023年10月13日記事参照)、同党を除いた連立政権の獲得議席予測は120議席中44議席にとどまる一方、野党の獲得議席予測は76議席に達した。

また、ネタニヤフ首相とラピッド前首相のどちらが首相にふさわしいかという問いには、ネタニヤフ首相支持が32%、ラピッド前首相は28%、どちらもふさわしくないが36%だった。ネタニヤフ首相とガンツ党首では、ネタニヤフ首相の27%に対し、ガンツ氏は45%で、わからないは22%だった。

次のクネセト選挙を前倒しして実施すべきか否かについては、「前倒しすべき」が57%に達した。ネタニヤフ首相支持者では「前倒しすべき」は32%だったのに対し、野党支持者では「前倒しすべき」は82%に達した。

また、戦闘終結翌日にガザ地区の統治権をパレスチナ自治政府へ移譲することを支持するか否かという問いには、賛成19%、反対54%、わからないは27%だった。

「マーリブ」紙が12月15日に発表した同様の世論調査の結果(注2)によると、連立政権が獲得し得る議席数は43にとどまる一方、野党の獲得議席予測は77だった。

ネタニヤフ首相とガンツ党首のどちらが首相にふさわしいかという問いに対して、ネタニヤフ首相は31%だったのに対し、ガンツ党首は51%、わからないは18%だった。

軍事衝突に関するネタニヤフ首相のジョー・バイデン米大統領への対応については、「正しく行動していない」は43%、「正しく行動している」は36%だった。もしクネセトの選挙がきょう行われたらどの党に投票するかという問いに対して、「ナショナル・ユニティ」は39議席、「リクード」は17議席、「イェシュ・アティド」は14議席で続いた。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(注1)実施日は12月18日、18歳以上の504人が回答。

(注2)実施日は12月13~14日、510人が回答。

(中溝丘、ガブリエル・ホドス)

(イスラエル、パレスチナ、米国)

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