ガザから外国人や負傷者がエジプトに移動、バイデン米大統領は仲介したカタールに謝意
(イスラエル、パレスチナ、エジプト、米国、カタール)
テルアビブ発
2023年11月02日
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は11月1日、エジプト政府が被災したパレスチナ自治区ガザから重篤な病人や負傷者を受け入れ、治療を行う決定をしたことを歓迎した。WHOによると、81人が治療のためにエジプトへの入国を許可されたという。テドロス事務局長は「われわれは、エジプト保健省と協力して医療避難の計画を立てており、今後も支援を続ける」と述べた。
「タイムズ・オブ・イスラエル」紙(11月1日)は、545人の外国旅券保有者と90人のパレスチナ人負傷者の同日の検問所通過が認められ、イスラエル時間午後4時30分(日本時間午後11時30分)時点で335人の外国旅券保有者と、76人のパレスチナ人負傷者の同検問所通過が確認されたとしている。
また、同紙の別の記事(11月1日)によると、今回の検問所通過合意はカタールが仲介し、米国の協調の下でエジプト、イスラエル、ハマス間で合意されたとしている。
米国のジョー・バイデン大統領は11月1日、ミネソタ州で行った基調講演の中で、「これらの市民の出国を促進するための交渉を支援するために、私たちと緊密に協力してくれたパートナー、特にカタールに感謝したい」と述べた。
エジプトとガザを結ぶラファ国境検問所は、10月21日に再開され、支援物資を積んだトラック20台が同検問所からガザに入ったが(2023年10月24日記事参照)、人の移動は認められていなかった。10月31日には、イスラエル占領地政府活動調整官組織(COGAT)が、医療品、食料、水などの支援物資を積んだトラック59台が同検問所からガザに入ったことを明らかにした(2023年11月1日記事参照)。翌11月1日には、61台が同検問所からガザに入ったとしている。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、11月1日現在、パレスチナ側では8,805人が死亡、イスラエル側は約1,400人が死亡しており、双方の死者数は合計で1万200人以上に達している。イスラエル当局によると、ガザではイスラエル人と外国人の計240人が拘束されている。
イスラエルとハマスの衝突の詳細については特集を参照。
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