ネタニヤフ首相は停戦を否定、59台の人道支援トラックがガザに到着

(イスラエル、パレスチナ、エジプト)

テルアビブ発

2023年11月01日

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は10月30日の記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、ハマスとの停戦を否定した。同首相は、ハマスはパレスチナの民間人を人間の盾として利用していると非難するとともに、ハマスはガザの病院の地下室を広大なテロ・トンネル網の司令塔として使い続け、国連施設から燃料や人道支援を盗み続けると指摘した。その上で、国際社会からの停戦の要求に対し、「イスラエルにハマスへの降伏、テロリズムへの降伏、野蛮への降伏を求めるものであり、そのようなことは起こらない」と述べた。

国連人道問題調整事務所(OCHA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは10月31日、水、食料、医薬品などの支援物資を積んだ59台のトラックが、エジプトとの国境のラファ検問所からパレスチナ自治区ガザに入ったことを明らかにした。これは、10月21日に援助物資の輸送が再開されて以来で最大の搬入数となり、ガザに到着したトラックの総数は217台になった。なお、救命設備の稼働に必要な燃料の持ち込みは、依然として禁止されているという。

イスラエル占領地政府活動調整官組織(COGAT)も同31日、医療品、食料、水などの支援物質を積んだトラック80台に対し、ラファ国境検問所からガザに入るための検査を開始したことを明らかにした。

イスラエル首相府(10月31日)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、人道支援物質はイスラエルからではなく、国際支援団体が提供するもので、イスラエルの治安要員による検査後にガザに届けられるとしている。なお、これらの物資がハマスによって持ち去られたことが明らかになれば、輸送は停止するとしている。

OCHAによると、10月31日現在、パレスチナ側では8,525人が死亡、イスラエル側は約1,400人が死亡しており、双方の死者数は合計で9,900人以上に達している。イスラエル当局によると、ガザではイスラエル人と外国人の計240人が拘束されている。

イスラエルとハマスの衝突の詳細については特集を参照。

(中溝丘、アリサ・ノスキン)

(イスラエル、パレスチナ、エジプト)

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