スリランカ大統領、「一帯一路」による開発推進に意欲示す
(スリランカ、中国)
コロンボ発
2023年11月02日
中国の習近平国家主席とスリランカのラニル・ウィクラマシンハ大統領は10月20日、北京で首脳会談を実施した。
同会談を受け、ウィクラマシンハ大統領は「一帯一路」による開発を積極的に推進する姿勢を示している。10月14日に公開された中国国際テレビ(CGTN、中国国営中央テレビ系列の国際放送)のインタビューで、同大統領は「一帯一路」について、両国のみならず世界の国々が参加し、貿易投資やインフラ開発の分野で協力しており、スリランカにとって今後も活動の中心となると語った。また「一帯一路」への期待として、世界的に気候変動が進行し、低・中所得国の債務が拡大する中で、地球規模の課題解消につながる取り組みを求めた。
「一帯一路」構想を掲げる中国は、ハンバントタ港やマッタラ・ラジャパクサ国際空港、中央高速道路やノロッチョライ石炭火力発電所などのインフラ分野でスリランカに進出している。これら案件の建設に関連し、スリランカが多額の資金調達をせざるを得なくなったことが経済危機の一因になったとされている(2023年5月29日記事参照)。ウィクラマシンハ大統領は、スリランカが中国による「債務のわな」に陥っているという批判について、スリランカは自国の利益のために自己の判断の下で行動しており、中国との協力によって便益を得ているため、この批判は当てはまらないと指摘した。
コロンボ・ポートシティー・プロジェクトについて、同大統領はスリランカの経済成長にとって不可欠な重要プロジェクトと位置付け、ポートシティーを国内外の貿易やブラック ジャック 攻略の中心となる商業都市として発展させるという意向を示した。ハンバントタ港については、運営を中国の招商局集団(China Merchants Group)に委託しているが、法の執行や税関手続き、防衛や安全保障はスリランカ側が担っており、コロンボ港と同様の通常の商業港にすぎないと説明した。その上で、同港を商業ハブとして発展させ、投資を誘致するという目標は変わっていないと強調した。
(大井裕貴)
(スリランカ、中国)
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