国連特別会合によるガザ停戦決議、一翼を担うバングラデシュ
(バングラデシュ、イスラエル、中東、パレスチナ)
ダッカ発
2023年10月31日
国連は10月27日、イスラエルとハマスの軍事衝突に係る国連総会の緊急特別会合で、アラブグループ(注1)の議長国として同会合の開催を要請したヨルダンによる提案の下、バングラデシュを含む40カ国の連名による決議案となった「民間人の保護と法的、人道的義務の順守(Protection of civilians and upholding legal and humanitarian obligations)」を採択した。同決議に法的拘束力はないものの、ハマスによるイスラエルへの攻撃(10月7日、イスラム原理主義組織ハマスがカード)以降、安全保障理事会で理事国の決議案否決が続く中で、同衝突に対する国連として初めての正式声明となる。
国連バングラデシュ政府代表のムハンマド・アブドゥル・ムヒト大使(常駐代表)は27日の記者発表で「われわれは本日の決議案に賛成票を投じただけでなく、シェイク・ハシナ首相が第78回国連総会(2023年9月)で表明した立場(注2)を踏まえ、今回の緊急会合の開催要請や、決議への支持結集に尽力した。同決議は、パレスチナ市民の強制的な移送を断固として拒絶し、不法に捕らえられている全ての民間人の即時の無条件解放などを求めるもので、パレスチナ紛争の公正かつ永続的な『二国家解決』に向けたものだ」と述べた。26日から開催されている同緊急会合は10月31日に再度招集され、参加国による関連の議論が継続する予定となっており、バングラデシュ独立(1971年)以降、一貫してパレスチナを支持する同国政府の動向も注目される(2023年10月27日記事参照)。
(注1)国連に加盟するアラブ諸国を指す。
(注2)ハシナ首相は一般討論演説で、パレスチナ市民の諸権利のため加盟国に協働を要請し、その実現に向けた揺るぎないコミットメントを表明している。
(山田和則)
(バングラデシュ、イスラエル、中東、パレスチナ)
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