英当局、エクイノールなどが手掛ける新規油田開発の計画承認
(英国、ノルウェー)
ロンドン発
2023年10月03日
英国の北海移行規制機関(NSTA、旧・英国石油ガス規制機関)は9月27日、スコットランド・シェトランド諸島沖に位置するローズバンク油田の開発計画について承認したことを発表した。
同計画は、ノルウェーの石油大手エクイノールが80%、英国のイサカ・エナジーが20%の権益をそれぞれ保有。エクイノールは同日、同プロジェクトへの最終投資決定を発表した。両社合わせて約38億ドルの投資規模となり、可採埋蔵量は最大約3億バレルと推定されている。
エクイノールの調査によると、ローズバンク油田の存続期間を通して、開発、操業、廃止措置までを含めて、総額約81億ポンド(約1兆4,823億円、1ポンド=約183円)に上る投資が行われ、このうち63億ポンドが英国を拠点とする企業に投資される可能性が高いとしている。プロジェクトの建設最盛期には、約1,600人の雇用を生み出すとともに、油田の稼働期間中には約450人が雇用されるとしている。生産開始は2026年から2027年を予定している。
この発表に対して、英国政府も同日にプレスリリースを行い、NSTAの決定を歓迎した。政府は、同計画は詳細な環境影響評価プロセスや意見公募など、規制当局による広範な精査を経たものとしている。加えて、NSTAはプロジェクトの承認決定に当たって、新規油田開発に低炭素電力の導入を要求し、確実な炭素削減効果がもたらされることなどを考慮しているとされる。
英国政府は2022年4月に発表したエネルギー安全保障戦略で、洋上風力を中心とした国内の再生可能エネルギーや原子力発電を強化するとともに、低炭素エネルギーへの移行で北海の石油・ガス産業を支援する方針を策定(関連ブラック ジャック 無料)。2023年7月31日には、北海の石油・ガス開発ライセンスを新規に発行する方針を発表している(英政府が石油・ガス開発やCCUSクラスター支援、ブラック)。政府によると、石油・ガス産業は毎年170億ポンドの経済効果をもたらし、約20万人の雇用を支え、今後5年間で約500億ポンドの税収をもたらすとされている。
(菅野真)
(英国、ノルウェー)
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