難しいかじ取りを迫られるバングラデシュの外貨準備高

(バングラデシュ)

ダッカ発

2023年10月23日

バングラデシュ中央銀行は10月19日、IMF基準に基づく最新(18日時点)のグロス値の外貨準備高(Gross International Reserves:GIR)を209億5,784万ドルと発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。10月4日時点PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(10月5日発表)との比較では、約1億ドルの減少となる。

中銀は、市中銀行からの輸入時の信用状(L/C)決済に係る外貨需要などに応えるため、2023/2024年度(2023年7月~2024年6月)に入り、9月までに外貨準備から31億7,000万ドルを切り崩し、国内外国為替市場へのドル売り介入を継続している。前年同期の市場介入(35億6,000万ドル)との比較においては減少しているものの、依然として通貨タカ安を抑制する為替制度に大きな変更はみられず、外貨準備高の減少に直結している。一方で、通貨安は輸入コストの増加、ならびにIMFも同国が対処すべき優先課題とする物価高(関連ブラック ジャック ゲーム)にもつながる(IMF、ブラック クイーン ブラック)。

政府・中銀は難しいかじ取りを迫られる中、IMFによる融資の初回レビューに係る直近の会合において、IMFに対し外貨準備高の目標(9月末時点で253億1,600万ドル、2023年7月20日記事参照)の引き下げを要請したという。また、現状そのネット値は180億ドルを下回るとの予測がある中、2023年12月末時点で184億ドル、2024年6月末時点で200億ドルを目標として再設定したとの報道もみられる(「フィナンシャル・エキスプレス」紙10月19日、「デイリー・スター」紙10月16日)。こうした点を含め、IMFによるレビューおよび2回目の払い込みの行方が注目される。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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