米インテルが半導体関連子会社の株式約10%をTSMCに売却と発表

(米国、台湾)

ロサンゼルス発

2023年09月19日

米国の半導体大手インテル(本社:カリフォルニア州)は9月12日、半導体ファウンドリー(受託製造)の世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)に対して、子会社IMSナノファブリケーション(以下、IMS)の株式約10%を売却することで合意したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。評価額は約43億ドルで、取引自体は2023年第4四半期中に完了する予定という。IMSの株式については、6月にも米国の投資会社であるベイン・キャピタルに対して、約20%の売却合意が発表されていた。

IMSでは、半導体製造過程で使用されるマルチビーム描画装置などを製造しており、半導体産業の成長と発展のために重要な役割を担っているとされる。

インテルは引き続きIMSの株式の過半数を保有し、インテルの子会社として事業を継続する。今回の株式売却について、インテルのディベロップメント担当バイスプレジデントのマット・ポワリエ氏は「業界との深い協力関係を築いていることを示すものであり、半導体製造のエコシステム全体に利益をもたらす。独立性が強化されたことで、IMSは今後10年以上にわたってマルチビーム描画装置の大きな成長機会を得るのに有利な立場になる」と述べている。

また、TSMCで事業開発を担当するシニアバイスプレジデントのケビン・ジャン氏は「TSMCは2012年以来、先端のテクノロジーノード向けマルチビーム描画装置の開発でIMSと協力してきた。今回の投資は、技術革新を加速し、より深い異業種でのコラボレーションを可能にするために、TSMCとIMSの長期的なパートナーシップを継続させるもの」と述べている。

インテルとTSMCはともに、アリゾナ州で半導体工場建設のために大規模な投資を進めており(2022年12月8日記事参照)、両社の動向が注目される。

(堀永卓弘)

(米国、台湾)

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