8月のインフレ率、食品セクターは12%台に

(バングラデシュ)

ダッカ発

2023年09月13日

バングラデシュ統計局(BBS)は、8月の消費者物価指数(CPI)上昇率を9.92%と発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。同発表によると、食品セクターのインフレ率上昇幅が大きく、都市部と農村部いずれも12%に達した。その一方で、非食品セクター(国全体)は前月比1.52ポイント減の7.95%と減少したため、国・産業全体のCPI上昇率は、7月(2023年8月14日記事参照)から0.23ポイント増にとどまった。同国では、2022/2023年度(2022年7月~2023年6月)からインフレ率の高止まりの傾向がみられ(2023年8月4日記事参照)、単月でみると、8月は2013/2014年度以降、最も高い上昇率だった2023年5月(9.94%)と同水準となった(2023年6月8日記事参照)。

具体的には、商務省傘下のバングラデシュ貿易公社(TCB)の発表(9月11日付)で、タマネギ(外国産、1キログラム)の市場価格は60~71タカ(約80~95円、1タカ=約1.34円)で、前月(8月11日時点)から36.9%の値上がり(前年比73.3%上昇)、同様に、ジャガイモ(1キログラム)は42~50タカで、同17.9%の値上がり(前年比70.4%上昇)と、国民の食生活に欠かせない食材の価格が顕著に上昇している。他方、大豆油(同8.5%減)や小麦粉(前年比10.7%減)など減少傾向の品目も一部みられた(添付資料表参照)。

現在のインフレ率上昇の背景として、外貨準備高維持のために前年から政府が講じている輸入抑制策による主要品目に係る需給のギャップや、中間業者などによる水面下での一部品目に対する市場価格の操作など、国際的な外部要因というよりも、バングラデシュの対内的な要因が大きいとの見方もあり(「フィナンシャル・エクスプレス」紙9月11日)、引き続き関連の動向に注視する必要がある。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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